真空排気時間・コンダクタンス 計算ツール
最終更新:2026-09-26
要点
粗引きの排気時間はおおむね t = V/Seff × ln(p₀/p₁) で、実効排気速度は 1/Seff = 1/S + 1/C で配管のコンダクタンスに制限されます。コンダクタンスは粘性流では圧力に比例して小さくなり、分子流では内径の3乗に比例するため、低圧域では細く長い配管がポンプの能力を使い切れなくする主因になります。
入力
排気時間10.7 秒
配管を無視した場合(V/S·ln(p₀/p₁))5.5 秒
到達圧力付近(10 Pa)での実効排気速度18.8L/s
ガス負荷で決まる到達圧力 Q/Seff5.31×10⁻⁴Pa
ポンプ排気速度(L/s換算)166.7L/s
目標圧力付近では配管のコンダクタンスが律速になり、ポンプの能力の半分も使えていません。配管径を上げるのが最も効果的です(分子流ではコンダクタンスは内径の3乗に比例)。
ポンプの排気速度は圧力によらず一定としています。実際のドライポンプは10Pa以下で、ターボ分子ポンプは約1Pa以上で排気速度が落ちるため、各ポンプの排気速度曲線で補正してください。配管は20℃の直円管で、曲がりや弁のコンダクタンスは含みません。
排気曲線
圧力ごとの配管コンダクタンス(L/s)
| 平均圧力(Pa) | 粘性流 Cv | 分子流 Cm | 合成 C | 実効排気速度 Seff |
|---|---|---|---|---|
| 10,000 | 17,400 | 3.88 | 17,400 | 165 |
| 1,000 | 1,740 | 3.88 | 1,740 | 152 |
| 100 | 174 | 3.88 | 177 | 85.9 |
| 10 | 17.4 | 3.88 | 21.2 | 18.8 |
| 1 | 1.74 | 3.88 | 5.61 | 5.43 |
| 0.1 | 0.174 | 3.88 | 4.05 | 3.96 |
| 0.01 | 0.0174 | 3.88 | 3.9 | 3.81 |
排気時間を決めるもの
大気圧から粗引きするあいだは、チャンバー内の気体そのものを抜く段階で、時間はほぼ「容積 ÷ 実効排気速度 × 圧力比の自然対数」で決まります。100Lのチャンバーを600 m³/hのポンプで大気圧から10Paまで引くと、配管が十分太ければ約5秒です。ところが圧力が下がると配管のコンダクタンスが粘性流の領域で圧力に比例して小さくなり、細く長い配管ではポンプの能力を使い切れなくなります。
さらに圧力が下がると、壁面から出てくる水分などのガス放出が支配的になり、排気曲線は寝てきます。ロードロックの排気時間がスループットを左右する装置では、容積を小さくする、配管を太く短くする、ベントに乾燥窒素を使って壁に水を吸着させない、といった対策が取られます。