GLOSSARY

除害装置(スクラバー)とは

Abatement System / Scrubber
最終更新:2026-08-12排ガス処理装置(アバトメント)工場インフラ

除害装置(スクラバー)とは?

除害装置(スクラバー)とは、製造装置の排ガスを燃焼・プラズマ・触媒・湿式で無害化してから工場排気へ流すファブインフラ設備です。シラン・アルシン・塩素系ガスの毒性除去に加え、近年はCO₂の数千倍の温室効果を持つPFC(CF₄・NF₃・SF₆)の高効率分解が主眼となり、半導体産業の脱炭素目標を左右する設備になっています。

定義・解説

除害装置(スクラバー、アベートメント)は、製造装置から排出されるプロセスガスを無害化してから工場排気へ流すファブインフラ設備です。半導体プロセスで使うシラン(SiH₄)・アルシン(AsH₃)・塩素系ガス・フッ素系ガスは、可燃性・毒性・強い温室効果を持つため、そのまま大気へ放出することは法規制上も環境上も許されません。

処理方式は大きく4種類あります。①燃焼式(バーナーで分解)、②プラズマ式(プラズマで解離)、③加熱触媒式、④湿式(水やアルカリ液に吸収)で、多くの装置ではこれらを組み合わせた複合型が使われます。たとえばシランは燃焼で酸化してSiO₂の粉体にし、その粉体を湿式で洗い落とすという二段構成が一般的です。

近年最も注目されるのがPFC(パーフルオロカーボン)対策です。エッチングやチャンバークリーニングに使うCF₄・C₄F₈・NF₃・SF₆は、CO₂の数千〜2万倍以上の温室効果係数を持ち、大気寿命も長いため、半導体産業のスコープ1排出の主要因になっています。高温燃焼やプラズマ分解による高い分解効率(DRE)と、代替ガス(NF₃のリモートプラズマ化など)の導入が並行して進められています。

運用上の課題は、燃焼で生じる固形粉体(SiO₂など)の堆積による配管閉塞と、湿式部のスケール付着です。真空ポンプの排気側に直結するため、除害装置の閉塞はポンプの背圧上昇を招き、最終的にはプロセスチャンバーの圧力制御に影響します。ドライポンプと除害装置は、しばしば一体のユニットとして設計・保守されます。

供給はEdwards・カンケンテクノ・荏原製作所などが中心です。ファブの環境負荷(GHG排出)を直接左右する設備であり、大手デバイスメーカーの脱炭素目標が高効率除害装置への更新投資を後押ししています。

よくある質問(FAQ)

除害装置(スクラバー)はなぜ必要なのですか?
半導体プロセスで使うシラン・アルシン・塩素系・フッ素系ガスは、可燃性・毒性・強い温室効果を持つため、そのまま大気へ放出できないからです。燃焼・プラズマ・触媒・湿式などの方式で分解・吸収し、無害化してから工場排気へ流します。
PFC対策で除害装置が注目されるのはなぜですか?
エッチングやチャンバークリーニングで使うCF₄・C₄F₈・NF₃・SF₆がCO₂の数千〜2万倍以上の温室効果係数を持ち、半導体産業のスコープ1排出の主要因になっているためです。高い分解効率(DRE)を持つ除害装置への更新が脱炭素目標に直結します。
除害装置が詰まると何が起きますか?
燃焼で生じるSiO₂などの固形粉体が配管に堆積し、上流の真空ポンプの背圧が上昇します。背圧上昇はポンプの排気能力低下を招き、最終的にプロセスチャンバーの圧力制御に影響するため、ドライポンプと除害装置は一体で保守されます。

設備の製造メーカー

Edwards Vacuum(Atlas Copco傘下)GB

半導体ファブ向け真空ポンプ・排気処理(アベートメント)システムの世界大手。ドライポンプ・ブースターポンプ・PF…

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カンケンテクノ日本

半導体・FPD製造の排ガス処理装置メーカー。シラン・フッ素系ガス・PFCなどのプロセス排ガスを燃焼・プラズマ・…

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荏原製作所日本

CMP(化学機械研磨)装置と半導体製造用真空ポンプ・除害装置の大手。ポンプ・精密機械・環境事業を軸に、半導体製…

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エア・リキード(Air Liquide)FR

産業ガス・特殊ガスのグローバル大手メーカー。半導体製造に不可欠な高純度プロセスガス(成膜・エッチング用)とガス…

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