最終更新 2026-10-19

除害装置とは(スクラバー)

Abatement System / Scrubber

除害装置(スクラバー)とは、製造装置の排ガスを燃焼・プラズマ・触媒・湿式で無害化してから工場排気へ流すファブインフラ設備です。シラン・アルシン・塩素系ガスの毒性除去に加え、近年はCO₂の数千倍の温室効果を持つPFC(CF₄・NF₃・SF₆)の高効率分解が主眼となり、半導体産業の脱炭素目標を左右する設備になっています。

目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連する製品
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

除害装置(スクラバー、アベートメント)は、製造装置から排出されるプロセスガスを無害化してから工場排気へ流すファブインフラ設備です。半導体プロセスで使うシラン(SiH₄)・アルシン(AsH₃)・塩素系ガス・フッ素系ガスは、可燃性・毒性・強い温室効果を持つため、そのまま大気へ放出することは法規制上も環境上も許されません。

処理方式は大きく4種類あります。①燃焼式(バーナーで分解)、②プラズマ式(プラズマで解離)、③加熱触媒式、④湿式(水やアルカリ液に吸収)で、多くの装置ではこれらを組み合わせた複合型が使われます。たとえばシランは燃焼で酸化してSiO₂の粉体にし、その粉体を湿式で洗い落とすという二段構成が一般的です。

近年最も注目されるのがPFC(パーフルオロカーボン)対策です。エッチングやチャンバークリーニングに使うCF₄・C₄F₈・NF₃・SF₆は、CO₂の数千〜2万倍以上の温室効果係数を持ち、大気寿命も長いため、半導体産業のスコープ1排出の主要因になっています。高温燃焼やプラズマ分解による高い分解効率(DRE)と、代替ガス(NF₃のリモートプラズマ化など)の導入が並行して進められています。

運用上の課題は、燃焼で生じる固形粉体(SiO₂など)の堆積による配管閉塞と、湿式部のスケール付着です。真空ポンプの排気側に直結するため、除害装置の閉塞はポンプの背圧上昇を招き、最終的にはプロセスチャンバーの圧力制御に影響します。ドライポンプと除害装置は、しばしば一体のユニットとして設計・保守されます。

供給はEdwards・カンケンテクノ・荏原製作所などが中心です。ファブの環境負荷(GHG排出)を直接左右する設備であり、大手デバイスメーカーの脱炭素目標が高効率除害装置への更新投資を後押ししています。

図解

除害装置(スクラバー)の方式(燃焼・プラズマ・触媒・湿式)
毒性ガスの無害化と、温室効果ガスの削減の両方を担う。

この用語を扱う職種

ファブ運営・インフラ環境安全(EHS)エンジニア

よくある質問(FAQ)

除害装置(スクラバー)はなぜ必要なのですか?
半導体プロセスで使うシラン・アルシン・塩素系・フッ素系ガスは、可燃性・毒性・強い温室効果を持つため、そのまま大気へ放出できないからです。燃焼・プラズマ・触媒・湿式などの方式で分解・吸収し、無害化してから工場排気へ流します。
PFC対策で除害装置が注目されるのはなぜですか?
エッチングやチャンバークリーニングで使うCF₄・C₄F₈・NF₃・SF₆がCO₂の数千〜2万倍以上の温室効果係数を持ち、半導体産業のスコープ1排出の主要因になっているためです。高い分解効率(DRE)を持つ除害装置への更新が脱炭素目標に直結します。
除害装置が詰まると何が起きますか?
燃焼で生じるSiO₂などの固形粉体が配管に堆積し、上流の真空ポンプの背圧が上昇します。背圧上昇はポンプの排気能力低下を招き、最終的にプロセスチャンバーの圧力制御に影響するため、ドライポンプと除害装置は一体で保守されます。

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

Atlas™ シリーズEdwards Vacuum(Atlas Copco傘下)・排ガス処理装置(アバトメント)
TND-Single 型荏原製作所・排ガス処理装置(アバトメント)
KT1000 シリーズカンケンテクノ・排ガス処理装置(アバトメント)
Aeris®-G Plasma Abatement SystemApplied Materials・排ガス処理装置(アバトメント)
Aeris®-SApplied Materials・排ガス処理装置(アバトメント)
Aeris®-SiApplied Materials・排ガス処理装置(アバトメント)

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 荏原製作所「TND-Single 型 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  2. カンケンテクノ「KT1000 シリーズ 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  3. Applied Materials「Aeris®-G Plasma Abatement System 製品ページ」(2026/10/07 確認)