最終更新 2026-10-07

石英部品とは(石英ガラス部材)

Quartz Parts / Fused Silica Components

石英部品とは、高純度石英ガラスを加工した拡散炉のチューブ・ボートやエッチング装置の窓・リングなどの装置内部材です。1,200℃級の耐熱性、極小の熱膨張、ppbレベルの低金属汚染という組合せは代替が難しく、前工程の高温・高清浄プロセスを支えます。長時間使用で失透(白濁)しパーティクル源となるため、定期交換と再生が必要な消耗部品でもあります。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. よくある質問
  5. 設備の製造メーカー
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ

定義・解説

石英部品は、高純度の石英ガラス(合成石英・溶融石英)から加工された装置内部材の総称です。拡散炉の炉心管(チューブ)やウェハを載せるボート、エッチング装置の窓・リング、洗浄槽など、高温・腐食性環境で金属汚染を避けたい場所に広く使われます。

石英が選ばれる理由は、①1,200℃前後の高温に耐える、②熱膨張率が極めて小さく急熱急冷に強い、③金属不純物をppbレベルまで下げられる、④フッ酸以外の多くの薬液に耐える、という組合せにあります。特にシリコンデバイスの前工程では、鉄・銅などの金属汚染が接合リークやゲート絶縁膜の劣化を招くため、高純度石英は他材料に置き換えが難しい部材です。

石英には天然石英を溶融した溶融石英と、SiCl₄などを原料に気相合成した合成石英があります。合成石英は金属不純物が桁違いに少なく、OH基濃度も制御できるため、拡散炉のチューブや高純度が要求される部材に使われます。用途によっては意図的にOH基を減らした低OH材や、失透(結晶化)を遅らせる処理を施した材料が選ばれます。

石英部品は消耗部品でもあります。高温での長時間使用により表面が失透(クリストバライト化)して白濁し、剥離片がパーティクル源になるため、定期的な交換や再生(研磨・エッチング洗浄)が必要です。プラズマ環境ではフッ素ラジカルにより徐々にエッチングされ、寸法変化がプロセスに影響します。

供給側は、信越石英・東ソー・HOYAなど素材メーカーと、それを加工する石英加工業者が階層をなしています。半導体の投資サイクルに応じて需給が大きく振れる部材であり、拡散炉やエピ装置の稼働台数と密接に連動します。

図解

石英部品(石英ガラス部材)が使われる理由と消耗
エッチング装置の窓やリングにも使われる。

紛らわしい言葉の切り分け

石英部品とセラミック部品。違いは材料の構造です。石英は透明なガラスで熱膨張が非常に小さく高純度にしやすいため、拡散炉の管やボートに使います。セラミックは熱伝導率と強度、プラズマへの耐性に優れるため、静電チャックやヒーター、フォーカスリングに使います。 比較記事 →

この用語を扱う職種

装置・材料メーカー装置部品・消耗品エンジニア

よくある質問(FAQ)

なぜ石英が半導体装置に多用されるのですか?
1,200℃前後の耐熱性、極めて小さい熱膨張率による耐熱衝撃性、ppbレベルまで下げられる金属不純物、多くの薬液への耐性という条件を同時に満たせるためです。鉄や銅の汚染は接合リークやゲート絶縁膜の劣化を招くため、高純度石英は代替が困難です。
合成石英と溶融石英はどう違いますか?
溶融石英は天然の石英粉を溶かして作るのに対し、合成石英はSiCl₄などから気相合成します。合成石英のほうが金属不純物が桁違いに少なくOH基濃度も制御できるため、拡散炉のチューブなど高純度が必要な部材に使われます。
石英部品はなぜ交換が必要になるのですか?
高温での長時間使用により表面が失透(クリストバライト化)して白濁し、剥離片がパーティクル源になるためです。プラズマ環境ではフッ素ラジカルにより徐々にエッチングされ寸法も変化します。研磨やエッチング洗浄による再生も行われます。

設備の製造メーカー

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