石英部品は、高純度の石英ガラス(合成石英・溶融石英)から加工された装置内部材の総称です。拡散炉の炉心管(チューブ)やウェハを載せるボート、エッチング装置の窓・リング、洗浄槽など、高温・腐食性環境で金属汚染を避けたい場所に広く使われます。
石英が選ばれる理由は、①1,200℃前後の高温に耐える、②熱膨張率が極めて小さく急熱急冷に強い、③金属不純物をppbレベルまで下げられる、④フッ酸以外の多くの薬液に耐える、という組合せにあります。特にシリコンデバイスの前工程では、鉄・銅などの金属汚染が接合リークやゲート絶縁膜の劣化を招くため、高純度石英は他材料に置き換えが難しい部材です。
石英には天然石英を溶融した溶融石英と、SiCl₄などを原料に気相合成した合成石英があります。合成石英は金属不純物が桁違いに少なく、OH基濃度も制御できるため、拡散炉のチューブや高純度が要求される部材に使われます。用途によっては意図的にOH基を減らした低OH材や、失透(結晶化)を遅らせる処理を施した材料が選ばれます。
石英部品は消耗部品でもあります。高温での長時間使用により表面が失透(クリストバライト化)して白濁し、剥離片がパーティクル源になるため、定期的な交換や再生(研磨・エッチング洗浄)が必要です。プラズマ環境ではフッ素ラジカルにより徐々にエッチングされ、寸法変化がプロセスに影響します。
供給側は、信越石英・東ソー・HOYAなど素材メーカーと、それを加工する石英加工業者が階層をなしています。半導体の投資サイクルに応じて需給が大きく振れる部材であり、拡散炉やエピ装置の稼働台数と密接に連動します。