セラミックヒーターは、窒化アルミ(AlN)やアルミナの焼結体に発熱体(タングステン・モリブデン等)を埋め込んだ、ウェハ加熱用の装置部品です。CVD・ALD・PECVDなど加熱を伴う成膜装置でウェハステージ(サセプタ)を兼ねることが多く、真空・腐食性ガス環境で数百℃を安定に保つ役割を担います。
AlNが好まれる最大の理由は熱伝導率の高さです。アルミナの約20W/m·Kに対しAlNは150〜180W/m·Kに達し、面内の温度差を小さく保てます。加えて、体積抵抗率を制御することで静電チャック機能(ジョンセン・ラーベック型)を同一部材に組み込めるため、加熱と吸着を兼ねた「ヒーター一体型ESC」として使われるケースが増えています。
温度均一性はプロセス品質に直結します。ALDでは前駆体の吸着・反応が温度に強く依存し、数℃の差が膜厚・組成のばらつきになります。そのため発熱体パターンを同心円状に分割したマルチゾーンヒーターが標準化され、外周の放熱を補償する設計が施されます。熱電対や放射温度計による実測とフィードバック制御が組み合わされます。
信頼性面の課題は、繰り返しの昇降温による熱応力とクラック、発熱体とセラミックの熱膨張差、腐食性ガスによる表面の変質です。特にハロゲン系ガス環境では表面が侵食されるため、耐食性の高い材料選定や保護膜の適用が必要になります。破損時にはウェハ加熱が不能になり装置が停止するため、寿命管理が重要な部品です。
供給は日本ガイシ・京セラなどのセラミックメーカーが中心で、装置メーカーと共同で電極パターン・端子構造を設計します。高い焼結技術と埋込電極の位置精度が要求されるため、参入障壁の高い部品カテゴリです。