最終更新 2026-10-09

ウェハ平坦度とは(TTV・SFQR・GBIR)

Wafer Flatness (TTV / SFQR / GBIR)

ウェハ平坦度とは、表面の高さがどれだけ揃っているかを表す指標群です。全面の厚み差を見るGBIR(旧TTV)に対し、実際に露光を左右するのは露光ショット相当の矩形サイトごとに変動幅を見るSFQRで、先端ロジック向け300mmウェハでは数十nmオーダーの管理になります。外周はエッジロールオフが生じるため、数mmを規格対象から除外する運用が一般的です。

目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連する製品
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

ウェハ平坦度とは、ウェハ表面の高さがどれだけ揃っているかを表す品質指標群です。リソグラフィの焦点深度(DOF)が数十nmまで浅くなった現在、ウェハのわずかな凹凸が露光時のデフォーカスを引き起こしてパターン不良につながるため、平坦度はウェハ仕様の中でも最重要項目の一つです。

指標は測定範囲によって使い分けられます。GBIR(Global Backside Ideal Range、旧TTV)はウェハ全面での厚みの最大差を表す全体指標です。TTV(Total Thickness Variation)は同義で使われる古い呼称で、最大厚さと最小厚さの差を指します。これらは搬送や保持の観点では有用ですが、露光の可否を判断するには粗すぎます。

実際に露光を左右するのは局所平坦度です。SFQR(Site Front least-sQuares Range)は、露光ショットに相当する矩形サイト(例:26×8mm)ごとに、表面を最小二乗平面で近似したときの上下の変動幅を表します。全サイトのSFQR最大値が規格内に収まることが求められ、先端ロジック向け300mmウェハでは数十nmオーダーの管理になります。SBIR(サイト内の裏面基準の変動)も併用されます。

平坦度が作り込まれるのは、スライス→ラッピング/両面研削→両面研磨(DSP)の流れです。特にDSPはウェハを拘束せずに加工するため、裏面形状の転写を避けて局所平坦度を高められます。一方、エッジ付近は研磨圧の分布が乱れて「エッジロールオフ」と呼ばれるだれが生じやすく、外周数mmを規格対象から除外(EE:Edge Exclusion)する運用が一般的です。

測定には静電容量式またはレーザー干渉式の平坦度測定装置が使われ、ウェハを自由支持した状態で表裏の形状を同時に取得します。似た指標に反り(Bow・Warp)がありますが、こちらは自由状態でのウェハ全体の湾曲を表すもので、吸着すれば矯正される点が平坦度と異なります。

図解

ウェハ平坦度の指標GBIR(TTV)とSFQRの比較
露光の焦点深度が浅くなり、区画ごとの平坦度が重要になった。

関連するデータ・ツール

計算・換算ツール薄膜応力・ウェハ反り 計算ツール(Stoney の式)計算・換算ツールウェハの重量・面積・厚さ 計算ツール

よくある質問(FAQ)

TTV・GBIR・SFQRはどう使い分けるのですか?
GBIR(旧TTV)はウェハ全面での厚みの最大差を表す全体指標で、搬送や保持の観点で使われます。SFQRは露光ショット相当の矩形サイトごとに表面の変動幅を見る局所指標で、実際に露光の可否を左右するのはこちらです。先端ロジック向けでは数十nmオーダーの管理になります。
平坦度と反り(Warp)は何が違うのですか?
平坦度は露光時のようにウェハを吸着した状態で問題になる表面の高さ変動を、反りは自由に支持した状態でのウェハ全体の湾曲を表します。反りは吸着すれば矯正されますが、平坦度は吸着しても残るため、リソグラフィのデフォーカスに直結します。
エッジ除外(Edge Exclusion)とは何ですか?
ウェハ外周の数mmを平坦度の規格対象から外す運用です。外周部は研磨圧の分布が乱れてエッジロールオフと呼ばれるだれが生じやすく、ここまで規格に含めると歩留まりが成立しないため、あらかじめ除外して管理します。

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

AC 2000 P4Lapmaster Wolters・両面研磨装置(DSP)
SBW シリーズコベルコ科研・ウェハ基板検査装置
PNX332B岡本工作機械製作所・ウェハ研磨・面取り装置
Tropel® FlatMaster® MSPコーニング・トロペル(Corning Tropel)・平坦度・ウェハ厚測定装置
DSM シリーズスピードファム・両面研磨装置(DSP)
Ulucus™ G東京エレクトロン(TEL)・バックグラインダー
PWG5™KLA・平坦度・ウェハ厚測定装置
DFG8340DISCO・バックグラインダー
Iris™ SOnto Innovation・膜厚計測装置
Tropel® UltraSort™ IIコーニング・トロペル(Corning Tropel)・平坦度・ウェハ厚測定装置
WaferSight™ 2+KLA・ウェハ基板検査装置
DFG8360DISCO・バックグラインダー

関連する装置カテゴリ

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. ディスコ「BGテープ表面平坦化によるTTV向上」(2026/10/07 確認)
  2. Lapmaster Wolters「AC 2000 P4 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  3. コベルコ科研「SBW シリーズ 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  4. 岡本工作機械製作所「PNX332B 製品ページ」(2026/10/07 確認)