ゲート駆動電力・ゲート抵抗 計算ツール
要点
ゲートの駆動電力は Pg = Qg × (V+ − V−) × fsw で、ゲート抵抗ではなく電荷と電圧振幅と周波数で決まります。ゲート抵抗はピーク電流とスイッチング速度を決める調整つまみで、小さくすると損失は減りますがサージとノイズが増えます。SiC MOSFET は誤点弧を防ぐため、オフ時に−2〜−5V の負バイアスをかけるのが一般的です。
入力
ゲート駆動電力(1スイッチ)220.0mW
うちゲート抵抗で消費する電力192.5mW
ドライバのピーク電流2.75A
平均ゲート電流(電源の負荷)10.00mA
ターンオン時の電圧遷移時間(ミラー期間)20.0ns
ターンオフ時の電圧遷移時間16.7ns
ブートストラップ容量の目安(3倍の余裕)600nF 以上
ゲート容量は電圧依存が大きいため、データシートのゲート電荷特性(Qg–Vgs 曲線)から、実際に使う V+・V− の範囲で読み取った Qg を使ってください。遷移時間は Qgd をプラトー期間中の一定電流で充放電するとした近似です。
外付けゲート抵抗とスイッチング速度
| Rg,ext | ピーク電流 | オン遷移 | オフ遷移 |
|---|---|---|---|
| 0 Ω | 7.33 A | 7.5 ns | 6.3 ns |
| 2 Ω | 4.40 A | 12.5 ns | 10.4 ns |
| 5 Ω | 2.75 A | 20.0 ns | 16.7 ns |
| 10 Ω | 1.69 A | 32.5 ns | 27.1 ns |
| 20 Ω | 0.96 A | 57.5 ns | 47.9 ns |
ゲート抵抗の選び方
パワー MOSFET や IGBT のゲートは容量性の負荷で、スイッチングのたびに Qg の電荷を出し入れします。ゲート抵抗を小さくするとゲート電流が増えてスイッチングが速くなり、スイッチング損失は減りますが、dV/dt・dI/dt が大きくなってサージ電圧やノイズ(EMI)、誤点弧の原因になります。ゲート抵抗は損失とノイズのトレードオフで決める調整つまみです。
SiC MOSFET はしきい値電圧が低く、高い dV/dt でミラー容量を通じてゲートが持ち上がる誤点弧が起きやすいため、オフ時に −2〜−5V の負バイアスをかけるのが一般的です。GaN HEMT はゲートの耐圧が低く(+6V前後)、Qg が非常に小さいので、ドライバの出力電圧の精度とゲートループの寄生インダクタンスの低減が重要になります。