SEMICON Japan 2026(12/9〜11)にあわせて、出展企業さまの広告掲載のご相談を受け付けています。SEMICON Japan 2026 広告募集詳しく見る

最終更新 2026-10-28

縮退半導体とは

Degenerate Semiconductor

縮退半導体とは、不純物を非常に多く加えて、フェルミ準位がバンドの端に近づくかバンドの中に入った半導体です。シリコンではおおむね10¹⁸〜10¹⁹cm⁻³以上で起こり、金属に近い性質になります。ボルツマン近似が使えなくなる一方、金属電極との低抵抗なオーミック接触などに意図的に使われます。

目次5項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ

定義・解説

縮退半導体とは、不純物を非常に多く加えたために、フェルミ準位が伝導帯や価電子帯の端に近づくか、バンドの中に入り込んだ状態の半導体のことです。不純物の密度が有効状態密度(シリコンで10¹⁹cm⁻³前後)に近づくと起こり、電子や正孔の数が多くなって、半導体というより金属に近い性質を示すようになります。

ふつうの半導体では、フェルミ準位がバンドの端から数kT以上離れているため、キャリアの分布をボルツマン分布で近似でき、キャリア密度の簡単な式が使えます。縮退すると、この近似が成り立たなくなり、フェルミ・ディラック分布をそのまま使って計算する必要があります。また、不純物の準位どうしが重なって帯になり、バンドギャップが実効的に狭くなる(バンドギャップナローイング)現象も起こります。

縮退半導体は、デバイスの中で意図的に作られます。金属の電極と半導体の接合部の不純物を縮退するほど濃くすると、障壁が非常に薄くなって電子がトンネル効果で通り抜け、抵抗の低いオーミック接触が得られます。トランジスタのソース・ドレインやポリシリコンのゲート、トンネルダイオード、ツェナーダイオードも縮退またはそれに近い濃度を使っています。

図解

n型シリコンの不純物濃度に応じたフェルミ準位の位置と縮退半導体の用途の一覧

図をタップで2倍に拡大

濃度の目安は温度や材料で変わる。

よくある質問(FAQ)

縮退半導体はなぜオーミック接触に使われるのですか?
金属と半導体の接合部の不純物を縮退するほど濃くすると、ショットキー障壁の幅が数nm程度まで薄くなり、電子がトンネル効果で障壁を通り抜けられるようになるためです。電圧の向きによらず電流がよく流れる、抵抗の低い接触が得られます。
「縮退」とはどういう意味ですか?
物理学で、電子が量子力学的な効果(パウリの排他原理)を強く受け、古典的な統計で扱えなくなった状態を縮退と呼びます。縮退半導体では電子が密に詰まり、フェルミ・ディラック分布の効果が無視できなくなるため、この名前があります。

関連する装置カテゴリ

同じトピックの用語

ディスクリート・光半導体 のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

日亜化学工業日本ローム(ROHM)日本東芝日本浜松ホトニクス日本ams OSRAMオーストリア三菱電機(半導体)日本

比較・違いを学ぶ