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最終更新 2026-10-28

フェルミ・ディラック分布とは

Fermi-Dirac Distribution

フェルミ・ディラック分布とは、ある温度でエネルギーEの状態が電子に占められている確率を表す関数で、f(E)=1/{1+exp((E−EF)/kT)}と書きます。フェルミ準位では確率がちょうど1/2になり、ふつうの半導体ではボルツマン分布で近似できます。縮退半導体や金属ではそのまま使います。

目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ
  6. 出典・参考資料

定義・解説

フェルミ・ディラック分布とは、ある温度のときに、エネルギーEの状態が電子で占められている確率を表す関数です。f(E)=1/{1+exp((E−EF)/kT)}と書き、EFはフェルミ準位、kはボルツマン定数、Tは絶対温度です。電子は同じ状態に2個以上入れない(パウリの排他原理)という性質を持つため、古典的な粒子とは違うこの分布に従います。

絶対零度では、フェルミ準位より低い状態はすべて電子で埋まり(f=1)、高い状態はすべて空(f=0)という階段の形になります。温度が上がると、フェルミ準位の近くの数kT(室温で数十meV)の範囲だけが滑らかに崩れ、一部の電子が上の状態へ移ります。フェルミ準位の位置では、温度によらず占有確率がちょうど1/2になります。

半導体の電子の密度は、この占有確率に状態密度を掛けてエネルギーで足し合わせて求めます。ふつうの半導体ではフェルミ準位がバンドの端から数kT以上離れているため、分布の裾をボルツマン分布で近似でき、計算が簡単になります。一方、不純物を非常に多く加えた縮退半導体や金属では、フェルミ・ディラック分布をそのまま使う必要があります。

図解

絶対零度、室温、フェルミ準位、高エネルギー側でのフェルミ・ディラック分布のふるまいの一覧

図をタップで2倍に拡大

k はボルツマン定数、T は絶対温度。

よくある質問(FAQ)

フェルミ・ディラック分布とボルツマン分布の違いは何ですか?
フェルミ・ディラック分布は、1つの状態に電子が2個以上入れないことを考えた正確な分布です。ボルツマン分布はその近似で、エネルギーがフェルミ準位より数kT以上高い状態では両者がほぼ一致します。ふつうの半導体のキャリア密度の計算ではボルツマン分布が使われます。
なぜフェルミ準位で確率が1/2になるのですか?
式にE=EFを入れると、exp(0)=1なので、f=1/(1+1)=1/2になります。フェルミ準位は「電子がいる確率がちょうど半分になるエネルギー」と定義できます。実際の半導体では、フェルミ準位がバンドギャップの中にあり、そこに状態がないことが多い点に注意が必要です。

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出典・参考資料

  1. HyperPhysics(ジョージア州立大学)「The Fermi-Dirac Distribution」(2026/10/28 確認)