有効状態密度(Nc・Nv)とは、伝導帯や価電子帯に広がっている電子の状態を、計算を簡単にするために、それぞれのバンドの端の1点に集まっているとみなしたときの状態の数(cm⁻³)です。伝導帯の値をNc、価電子帯の値をNvと書きます。この値を使うと、半導体の電子の密度をn=Nc·exp(−(Ec−EF)/kT)、正孔の密度をp=Nv·exp(−(EF−Ev)/kT)という簡単な式で求められます。
有効状態密度は、キャリアの有効質量と温度で決まり、Nc=2(2πme*kT/h²)^(3/2)と表されます。シリコンの室温(300K)の値は、Ncが約2.8×10¹⁹cm⁻³、Nvが約1.0×10¹⁹cm⁻³(文献により多少異なる)です。温度の3/2乗に比例するため、温度が上がると少しずつ大きくなります。
有効状態密度は、半導体の性質を見積もるときの目安にもなります。加えた不純物の密度がNcやNvに近づくと、フェルミ準位がバンドの端に近づいて上の簡単な式が使えなくなり、半導体は縮退した状態になります。また、真性キャリア密度はni=√(NcNv)·exp(−Eg/2kT)と、NcとNvから求められます。