ドルーデモデルとは、金属や半導体の中の電子を、電界で加速されては原子などにぶつかって止まることを繰り返す粒子とみなして、電気の流れやすさ(電気伝導率)を説明する古典的なモデルです。1900年にドイツの物理学者ドルーデが提案しました。量子力学が生まれる前のモデルですが、オームの法則がなぜ成り立つのかを直感的に説明できます。
電子は、電界Eから力を受けて加速しますが、平均τの時間ごとに何かにぶつかって速度がリセットされます。その結果、平均すると一定の速さ(ドリフト速度v=qτE/m)で動くことになります。ここから、電気伝導率はσ=nq²τ/m、移動度はμ=qτ/mと表されます。電子の密度nが多いほど、ぶつかるまでの時間τが長いほど、電気をよく通すということです。
半導体では、質量mの代わりに有効質量を使うことで、移動度や抵抗率の基本的な関係をこのモデルで理解できます。また、高い周波数の電界に対する応答から、金属の光の反射やプラズマ周波数、高周波での表皮効果も説明できます。一方、電子の比熱や、なぜ一部の物質が絶縁体になるのかは説明できず、それにはバンド理論などの量子力学が必要です。