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最終更新 2026-10-28

多数キャリア・少数キャリアとは

Majority and Minority Carriers

多数キャリアとは半導体の中で数が多いキャリア、少数キャリアとは少ないキャリアのことで、n型では電子が多数・正孔が少数、p型ではその逆です。数は少なくても、pn接合ダイオードやバイポーラトランジスタは少数キャリアの注入と拡散で動くため、少数キャリアの寿命と拡散長が性能を決めます。

目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ
  6. 出典・参考資料

定義・解説

多数キャリアとは、半導体の中で数が多いほうのキャリア、少数キャリアとは数が少ないほうのキャリアのことです。リンなどのドナーを加えたn型半導体では電子が多数キャリア、正孔が少数キャリアになり、ホウ素などのアクセプタを加えたp型半導体ではその逆になります。熱平衡では、両者の密度の積が一定になる(質量作用の法則)ため、多数キャリアが増えるほど少数キャリアは減ります。

数が少ないからといって、少数キャリアが重要でないわけではありません。pn接合ダイオードやバイポーラトランジスタは、接合を越えて反対側に注入された少数キャリアが、再結合して消えるまでに拡散して進むことで電流が流れます。そのため、少数キャリアが消えるまでの時間(少数キャリア寿命)と進める距離(拡散長)が、これらのデバイスの性能を決めます。

一方、MOSFETは多数キャリアだけで動くユニポーラ型のデバイスで、少数キャリアの寿命の影響を受けにくく、高速にスイッチングできます。パワー半導体でも、IGBTやpinダイオードは少数キャリアの注入を使って抵抗を下げる代わりに、オフにするときに残った少数キャリアを取り除く時間(逆回復)がかかります。シリコンウェハの品質を評価するときにも、少数キャリアの寿命がよく測られます。

図解

n型半導体とp型半導体の不純物・多数キャリア・少数キャリア・密度の関係を比較した表

図をタップで2倍に拡大

少数キャリアの寿命と拡散長がダイオードやバイポーラトランジスタの性能を左右する。

よくある質問(FAQ)

n型半導体の少数キャリアの密度はどのくらいですか?
質量作用の法則(np=ni²)から求められます。室温のシリコンにリンを1×10¹⁶cm⁻³加えると、電子は約1×10¹⁶cm⁻³、少数キャリアの正孔はni²/n=1×10⁴cm⁻³で、電子の1兆分の1しかありません。
少数キャリアデバイスと多数キャリアデバイスの違いは何ですか?
pn接合ダイオードやバイポーラトランジスタ、IGBTは、少数キャリアの注入を利用する少数キャリアデバイスで、大きな電流を流せる一方、少数キャリアが消えるのを待つためスイッチングが遅くなります。MOSFETやショットキーダイオードは多数キャリアだけで動き、高速です。

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 立命館大学 藤野毅「半導体工学(6) 半導体のキャリア(2)」(2026/10/28 確認)
  2. 立命館大学 藤野毅「半導体工学(7) 半導体のキャリア(3) PN接合の概要」(2026/10/28 確認)