プローブカード(Probe Card)とは、ウェーハ上に形成された半導体チップの電極パッドに極細の金属プローブ(針)を接触させ、電気的特性を検査するためのインタフェース治具である。ウェーハプロービング工程(前工程テスト)において、自動テスト装置(ATE)とウェーハの間に配置され、1回の接触(タッチダウン)で複数ダイを同時測定する「マルチDUT」テストを実現する。
プローブカードの主な種類には、カンチレバー型・垂直型・MEMSプローブ型がある。カンチレバー型は低コストで汎用性が高いが、ピッチ微細化への対応に限界がある。垂直型(Vertical Probe Card)は接触抵抗が均一で高周波特性に優れ、先端ロジックやメモリのテストに広く使われる。MEMSプローブ型は1μmオーダーの極細ピッチに対応可能で、3nm/2nmノード向けに需要が伸びている。
プローブカード市場は、FormFactorが世界シェアトップを維持している。ウェーハの微細化・大口径化(300mm主流、450mmへの移行議論)に伴い、プローブカードのピン数は数千から数万本規模へと増大している。HBMなど3Dスタックメモリのテストでは、電極間隔(ピッチ)が55μm以下の超微細プローブが要求される。
プローブカードのコストは1枚数十万円から数百万円に及び、消耗品として定期的な交換が必要なため、半導体テストの主要コスト要因のひとつとなっている。プローブ針の摩耗管理(クリーニング・研磨サイクル)や接触信頼性の維持が生産効率に直結する。針先の状態をインライン計測するシステムも普及している。
次世代課題として、Gate-All-Around(GAA)トランジスタを搭載する2nm以降のチップでは、テストパッドレイアウトの変更とプローブピッチのさらなる微細化が求められる。また、チップレット設計の普及により、KGDテストのためのウェーハレベルプロービングの重要性が増し、プローブカード設計の複雑度は年々高まっている。