鏡像力による障壁低下(ショットキー効果)とは、金属の表面の近くにある電子が、金属の中に誘起される反対の電荷(鏡に映ったような像の電荷)に引き寄せられる力(鏡像力)のために、金属と真空、あるいは金属と半導体の間のエネルギーの壁(障壁)が、電界がかかると少し低くなる現象です。
電界がないときの障壁の形に、鏡像力による引き寄せと、外からかけた電界による傾きが重なると、障壁の頂上が金属から少し離れた位置に移り、高さがΔφ=√(qE/4πε)だけ下がります。電界Eが強いほど、また誘電率εが小さいほど、障壁は大きく下がります。半導体との接合では、誘電率の大きい半導体側で効果は小さめになりますが、無視はできません。
この効果のため、ショットキーバリアダイオードの逆方向の電流は、電圧を上げると空乏層の電界が強まって障壁が下がり、飽和せずに少しずつ増えていきます。熱電子放出による電子の放出も、強い電界では鏡像力で増えます。MOSFETのゲート絶縁膜を流れるリーク電流(ショットキー放出・プール・フレンケル放出)の解析でも、同じ考え方が使われます。