半導体の連続の式とは、ある小さな場所の電子や正孔の数が時間とともにどう変わるかを、そこへ流れ込む量と流れ出る量(電流)、新しく生まれる量(生成)、消える量(再結合)のつり合いで表した式です。電子については∂n/∂t=(1/q)∂Jn/∂x+G−Rと書きます。キャリアの数は勝手に増えも減りもしないという、数の保存の法則を表しています。
電流Jを、電界によるドリフト電流と濃度の差による拡散電流の和で書き、ポアソン方程式と組み合わせると、半導体デバイスの中のキャリアと電位の分布を求めるための基本の方程式の組(ドリフト・拡散モデル)になります。デバイスシミュレーション(TCAD)は、これを数値的に解いて、トランジスタやダイオードの特性を予測しています。
簡単な条件のもとでは手で解くこともできます。たとえば、n型半導体の一部に光を当てて少数キャリアの正孔を作ると、正孔は拡散しながら再結合で減っていき、その密度は拡散長ごとに約1/eに減る指数関数の形になります。また、光を急に切ると、少数キャリアは寿命τの時定数で指数関数的に減ります。少数キャリアの寿命の測定は、この関係を利用しています。