SEMICON Japan 2026(12/9〜11)にあわせて、出展企業さまの広告掲載のご相談を受け付けています。SEMICON Japan 2026 広告募集詳しく見る

最終更新 2026-10-28

誘電分極とは

Dielectric Polarization

誘電分極とは、絶縁体に電界をかけると、中の正と負の電荷がわずかにずれて電気的な偏りが生まれる現象で、その大きさが比誘電率(k値)を決めます。電子分極・イオン分極・配向分極の3つの仕組みがあり、イオン分極の大きい材料がHigh-k膜に、分極しにくい材料がLow-k膜に使われます。

目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ
  6. 出典・参考資料

定義・解説

誘電分極とは、絶縁体(誘電体)に電界をかけると、中の正の電荷と負の電荷がわずかにずれて、物質の中に小さな電気的な偏り(双極子)が生まれる現象です。電気は流れませんが、この偏りが外からの電界を一部打ち消すため、コンデンサの間に誘電体を入れると、同じ電圧でより多くの電荷を蓄えられます。その倍率が比誘電率(k値)です。

分極には主に3つの仕組みがあります。原子の中の電子の雲が原子核に対してずれる電子分極、正のイオンと負のイオンの位置がずれるイオン分極、もともと偏りを持つ分子が電界の向きにそろう配向分極です。重い原子を含みイオン分極の大きい酸化ハフニウム(k≒20〜25)などがHigh-k膜に使われ、逆に分極しにくいフッ素や炭素を加えたり、空孔を入れたりした材料がLow-k膜になります。

分極の仕組みには、電界の変化について行ける速さの限界があり、周波数が高くなると配向分極、イオン分極の順に追いつけなくなって、比誘電率が下がります。また、分極が電界に遅れることでエネルギーの一部が熱になる誘電損失が生じます。電界を取り去っても分極が残る材料は強誘電体と呼ばれ、FeRAMや強誘電体トランジスタに使われます。

図解

電子分極、イオン分極、配向分極の仕組みと特徴の比較

図をタップで2倍に拡大

電界を取り去っても分極が残る材料が強誘電体。

よくある質問(FAQ)

誘電分極と比誘電率の関係は?
誘電分極が大きい材料ほど、電界をかけたときに生まれる電気的な偏りが外の電界を強く打ち消し、同じ電圧でより多くの電荷を蓄えられます。その倍率が比誘電率です。真空の比誘電率は1、シリコン酸化膜は約3.9、酸化ハフニウムは約20〜25です。
Low-k膜はどうやって比誘電率を下げているのですか?
分極しにくいフッ素や炭素を酸化膜に加える、膜の中に小さな空孔(ポーラス)を作って分極する物質の量を減らす、といった方法で比誘電率を下げています。配線の間の容量が減り、信号の遅れと消費電力を減らせます。

関連する装置カテゴリ

同じトピックの用語

ディスクリート・光半導体・ゲートスタック(High-k/メタルゲート) のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

日亜化学工業日本ASMインターナショナルオランダローム(ROHM)日本東京エレクトロン(TEL)日本東芝日本Applied Materials米国

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. HyperPhysics(ジョージア州立大学)「Dielectrics」(2026/10/28 確認)