体心立方格子(BCC:Body-Centered Cubic)とは、立方体の8つの角と、立方体の中心に1個の原子が並んだ結晶の構造です。単位格子に含まれる原子の数は、角の原子が1/8×8=1個、中心の原子が1個で、合計2個です。配位数は8で、充填率は約68%と、面心立方格子(約74%)より少しすき間が多い構造です。
体心立方格子をとる金属には、室温の鉄(α鉄)、タングステン、モリブデン、クロム、バナジウム、ナトリウムなどがあります。高い融点を持つ金属が多く、半導体では、コンタクトの穴を埋めるタングステンや、次世代の配線材料として研究されているモリブデンがこの構造です。
体心立方格子の金属は、温度が下がると急にもろくなる性質(低温脆性)を持つものが多いことや、原子の面の並び方が面心立方格子と違うため、変形のしかたが異なることが特徴です。タングステンには、体心立方のα相のほかに、薄い膜を作ったときに現れる抵抗の高いβ相があり、配線の抵抗を下げるために、膜の作り方でα相になるよう制御します。