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最終更新 2026-10-28

拡散長とは(少数キャリア拡散長)

Diffusion Length

拡散長とは、半導体に注入された少数キャリアが、再結合して消えるまでに拡散で進める平均の距離で、L=√(Dτ)と表されます。太陽電池では光で生まれたキャリアが接合まで届くか、バイポーラトランジスタではベースを通り抜けられるかを決めます。汚染や欠陥で寿命が短いと拡散長も短くなります。

目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ
  6. 出典・参考資料

定義・解説

拡散長とは、半導体に注入された少数キャリアが、再結合して消えるまでの間に、拡散によって平均どれくらいの距離を進めるかを表す長さです。拡散係数をD、少数キャリアの寿命をτとすると、L=√(Dτ)で表されます。少数キャリアの密度は、注入された場所から離れるにつれて、拡散長ごとにおよそ1/e(約37%)に減っていきます。

拡散長は、少数キャリアを使うデバイスの性能を左右します。太陽電池では、光で生まれた少数キャリアが、再結合する前にpn接合まで拡散してたどり着いたときだけ電流になるため、拡散長がウェハの厚さより十分長いことが求められます。バイポーラトランジスタでは、ベースの厚さを拡散長よりずっと薄くすることで、エミッタから注入されたキャリアの大部分をコレクタまで届けます。

拡散長は、結晶の品質の指標にもなります。金属の汚染や結晶欠陥があると、それが再結合の中心になって寿命τが短くなり、拡散長も短くなります。高品質なシリコンウェハでは拡散長が数百µm〜1mm程度に達することもありますが、汚染があると大きく短くなります。表面光起電力(SPV)法などで、ウェハの拡散長を測って鉄などの汚染を評価します。

図解

少数キャリアの注入、拡散、再結合、届く距離としての拡散長の流れ

図をタップで2倍に拡大

密度は拡散長ごとに約1/eに減る。

よくある質問(FAQ)

拡散長と少数キャリア寿命の関係は?
拡散長は、拡散係数Dと少数キャリア寿命τの積の平方根です(L=√(Dτ))。寿命が4分の1になると拡散長は半分になります。寿命は汚染や欠陥で大きく変わるため、拡散長も結晶の品質の指標として使われます。
太陽電池ではなぜ拡散長が重要なのですか?
光で生まれた少数キャリアは、pn接合まで拡散してたどり着いて初めて電流になり、途中で再結合すると失われます。ウェハの奥で生まれたキャリアも接合まで届くよう、拡散長がウェハの厚さより十分長いことが、変換効率を上げる条件になります。

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出典・参考資料

  1. 北海道大学「粒界面近傍における少数キャリアの拡散長と寿命の研究(北海道大學工學部研究報告 99号)」(2026/10/28 確認)