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最終更新 2026-10-28

アインシュタインの関係式とは(D=μkT/q)

Einstein Relation

アインシュタインの関係式とは、半導体のキャリアの拡散係数Dと移動度μが、D=μkT/qで結ばれる関係です。kT/qは熱電圧で室温では約26mVなので、シリコンの電子の移動度1,400cm²/V·sからは拡散係数約36cm²/sが求まります。ドリフトと拡散の電流を1つのパラメータで扱えます。

目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ
  6. 出典・参考資料

定義・解説

アインシュタインの関係式とは、半導体の中のキャリアの拡散係数Dと移動度μが、D=μkT/qという簡単な比例の関係で結ばれていることを示す式です。kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電子の電荷で、kT/qは熱電圧と呼ばれ、室温(300K)で約26mV(0.0259V)です。1905年にアインシュタインがブラウン運動の研究で導いた関係を、半導体のキャリアに当てはめたものです。

移動度は電界に引っ張られたときの動きやすさ(ドリフト)、拡散係数は濃度の差で広がっていくときの広がりやすさ(拡散)を表す値です。どちらも、キャリアが結晶の中で格子の振動や不純物にぶつかる頻度で決まるため、一方が分かればもう一方も分かります。たとえばシリコンの電子の移動度を1,400cm²/V·sとすると、拡散係数は約36cm²/sになります。

この関係があるため、半導体の電流をドリフト電流と拡散電流の和で表すときに、必要なパラメータを移動度だけにまとめられます。少数キャリアの拡散長L=√(Dτ)を求めるときにも使われます。成り立つのは熱平衡に近い状態で、不純物が非常に多い縮退半導体や、強い電界でキャリアが高いエネルギーを持つ状態では補正が必要です。

図解

移動度の測定、熱電圧の乗算、拡散係数の算出、拡散長の算出までの流れ

図をタップで2倍に拡大

熱平衡に近い状態で成り立つ。

よくある質問(FAQ)

熱電圧kT/qとは何ですか?
ボルツマン定数kと絶対温度Tの積を電子の電荷qで割った値で、熱のエネルギーを電圧に換算したものです。室温(300K)で約25.9mVです。ダイオードやトランジスタの電流と電圧の関係の式に、指数の分母としてよく現れます。
アインシュタインの関係式が成り立たないのはどんなときですか?
不純物が非常に多くフェルミ準位がバンドの中に入る縮退半導体や、強い電界でキャリアが格子の温度より高いエネルギーを持つ(ホットキャリア)状態では、そのままでは成り立たず補正が必要になります。ふつうの濃度・電界の範囲ではよく成り立ちます。

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出典・参考資料

  1. 立命館大学 藤野毅「半導体工学(7) 半導体のキャリア(3) PN接合の概要」(2026/10/28 確認)