DUTボード(ロードボード、パフォーマンスボード)とは、ATE(テスタ)と被測定デバイス(DUT:Device Under Test)の間に置かれる専用のインターフェース基板です。テスタ側の汎用的なピンエレクトロニクスと、製品ごとに異なる端子配置とを橋渡しし、テストソケットやプローブカードを搭載する土台にもなります。
この基板は単なる配線板ではありません。テスト信号の品質を決める伝送線路そのものであり、高速デジタル信号ではインピーダンス整合・スタブの最小化・クロストーク抑制が、アナログ・RF測定では低ノイズと良好な高周波特性が要求されます。電源については、瞬時の大電流変動に応えるためのデカップリングコンデンサ群をDUT直近に配置する設計が不可欠です。
測定項目によっては、ボード上にリレーや基準抵抗、増幅回路といった追加部品を載せます。テスタが直接持っていない測定能力を、ボード側の回路で補うという考え方です。このためDUTボードは製品ごとに専用設計となり、新製品の立ち上げではボード設計と製作のリードタイムがテスト立ち上げの律速になることもあります。
マルチサイト測定では設計難度がさらに上がります。全サイトに対して等長・等インピーダンスの配線を引き、電源のインピーダンスも揃えなければ、サイト間の測定値に系統差(サイト間相関のずれ)が生じます。多層基板の層構成と配線経路の設計が、そのまま測定の再現性に直結します。
運用面では消耗品としての側面もあります。ソケットの着脱やコンタクトの繰り返しで基板のパッドやコネクタが摩耗し、接触不良の原因になります。テスト歩留まりが特定サイトで落ちたときは、まずDUTボードとソケットの状態を疑うのが定石です。