最終更新 2026-10-19

ウェハテストとは(プロービング工程)

Wafer Test / Wafer Sort

ウェハテスト(ウェハソート)とは、ウェハを個々のチップに切り分ける前に、ウェハ状態のまま各ダイの良否を電気的に判定する工程です。不良品に高価な組立・パッケージングコストを投じないための選別であり、先端パッケージではKGD(良品ダイ)保証の役割も担います。ウェハプローバーがプローブカードの針をパッドに接触させ、ATEがテストパターンを送って判定します。

目次10項目
  1. 定義・解説
  2. 製造工程フローでの位置
  3. 図解
  4. 紛らわしい言葉の切り分け
  5. よくある質問
  6. 設備の製造メーカー
  7. 関連する製品
  8. 関連用語
  9. 比較・違いを学ぶ
  10. 出典・参考資料

定義・解説

ウェハテスト(ウェハソート、プロービング工程)とは、ウェハを個々のチップに切り分ける前に、ウェハ状態のまま各ダイの電気的な良否を判定する工程です。前工程が終わったウェハに対して行われ、ここで不良と判定されたダイにはマーキングまたはデータ上のフラグが付き、後続の組立工程へは流されません。

この工程を挟む理由は経済性です。パッケージング・組立・最終テストにかかるコストは、不良チップに投じても回収できません。ウェハ段階で選別しておけば、良品だけを高価な後工程へ送れます。先端パッケージのように複数のダイを1つに集積する場合はさらに重要で、1個の不良ダイがモジュール全体を無駄にするため、KGD(Known Good Die)の保証がウェハテストの役割になります。

測定はウェハプローバーとATE(自動テスト装置)の組合せで行います。プローバーがウェハをステージ上で移動・位置決めし、プローブカードの微細な針をダイの電極パッドへ接触させ、ATEがテストパターンを送って応答を判定します。1回の接触(タッチダウン)で何個のダイを同時に測れるか(同時測定数)がスループットを決めるため、多ピン・多ダイ対応のプローブカード設計が重要になります。

ウェハテストでは、機能テストに加えてプロセスモニタも行われます。スクライブライン上に置かれたTEG(テスト用素子群)を測定してトランジスタ特性や配線抵抗を取得し、前工程の異常を検知します。またダイごとの良否をウェハマップとして記録することで、面内の不良分布から原因工程を推定する解析(歩留まり解析)につながります。

制約もあります。針を当てて測るという性質上、パッドへのダメージ(プローブマーク)が残り、後のワイヤボンディングやバンプ形成に影響しないよう管理が必要です。また高温・低温での動作保証が必要な製品では、プローバーにウェハを加熱・冷却するチャックを備えて温度を振った測定を行います。ただし電源電流の供給能力や高周波特性の面では、パッケージ後の最終テストに劣ります。

製造工程フローでの位置

ウェハテスト(プロービング工程)は全21ステップのうち STEP 15 にあたります(青枠)。

前工程(ウェハプロセス)後工程(組立・実装・テスト)01シリコンウェハの準備02エピタキシャル成長03↻洗浄04熱酸化05↻成膜06↻レジスト塗布07↻露光(リソグラフィ)08↻エッチング09↻アッシング(レジスト除去)10イオン注入11アニール(活性化熱処理)12↻CMP(平坦化)13↻配線形成(ダマシン)14↻ウェハ検査・計測15ウェハテスト(プロービング)16ウェハ薄化(裏面研削)17ダイシング18ダイボンディング19ワイヤボンディング20モールディング(封止)21最終テスト
↻ は配線などの層の数だけ繰り返す工程です。各工程をクリックすると用語解説へ進みます。

図解

ウェハテスト(ウェハソート・プロービング)の流れ
不良ダイに組立のコストをかけないための選別。CP(Circuit Probe)とも呼ぶ。

紛らわしい言葉の切り分け

ウェハテストと最終テスト。違いは検査するタイミングです。ウェハテストはパッケージに入れる前のウェハの状態でプローバを使い、不良のダイを封止前に取り除きます。最終テストはパッケージに入れた完成品をテスタとハンドラで検査し、温度試験まで含めて確認します。 比較記事 →

関連するデータ・ツール

データプローブカードの世界シェアと主要メーカー計算・換算ツール故障検出率と出荷不良率(DPPM)計算ツール

この用語を扱う職種

後工程(実装・テスト)プロダクトエンジニア(製品技術)後工程(実装・テスト)プローブカードエンジニア

よくある質問(FAQ)

なぜウェハの状態でテストするのですか?
パッケージング・組立・最終テストのコストは、不良チップに投じても回収できないためです。ウェハ段階で選別して良品だけを後工程へ送ることで無駄を省きます。複数ダイを集積する先端パッケージでは、1個の不良がモジュール全体を無駄にするためKGD保証としてさらに重要になります。
ウェハテストで測れないことは何ですか?
組立後にしか現れない不良です。ボンディングやバンプ接続の不良、モールド樹脂の応力による特性変化、パッケージ熱抵抗の影響などは、パッケージ後の最終テストでなければ検出できません。電源電流の供給能力や高周波特性の面でも、針接触では制約があります。
プローブマークは問題になりませんか?
管理項目です。針を当てた跡がパッドに残るため、後のワイヤボンディングやバンプ形成に影響しない深さ・位置に収まっているかを検査します。針圧やオーバードライブ量の設定、プローブカードの平坦性がこの品質を左右します。

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

Precio™ XL東京エレクトロン(TEL)・ウェハプローバー
IP750Ex-HDTeradyne(テラダイン)・イメージセンサテストシステム
FOX-XPAehr Test Systems・バーンインシステム
Yield Explorer/SiliconDashSynopsys・品質・歩留まり管理システム(YMS)
Apollo™ MF100FormFactor・プローブカード
U-Probe日本マイクロニクス・プローブカード

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Teradyne(テラダイン)米国Cohu米国ISC(アイエスシー)韓国LEENO Industrial(リノ工業)韓国エスペック日本Chroma ATE(致茂電子)台湾

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 東京エレクトロン(TEL)「Precio™ XL 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  2. Teradyne(テラダイン)「IP750Ex-HD 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  3. Aehr Test Systems「FOX-XP 製品ページ」(2026/10/07 確認)