相転移とは、物質が温度・圧力・電界などの変化によって別の状態(相)へ移り変わる現象で、結晶構造の変化やアモルファスと結晶の間の変化も含みます。相変化メモリは結晶とアモルファスの抵抗の差で、強誘電体HfO2は直方晶の相で動作します。シリサイドの相の変化や再結晶など、製造工程でも温度管理の鍵になります。
目次6項目
- 定義・解説
- 図解
- よくある質問
- 関連用語
- 比較・違いを学ぶ
- 出典・参考資料
定義・解説
相転移とは、物質が温度や圧力、電界などの条件の変化によって、ある状態(相)から別の状態へ移り変わる現象です。氷が水になる融解のような固体・液体・気体の間の変化だけでなく、固体のまま原子の並び方(結晶構造)が変わる変化や、アモルファス(非晶質)と結晶の間の変化、磁性や電気的な性質が急に変わる変化も含みます。
半導体では、相転移そのものを動作原理に使うデバイスがあります。相変化メモリ(PCM)は、GeSbTe(GST)などの材料を電流の熱で溶かして急冷するとアモルファス(高抵抗)に、ゆっくり加熱すると結晶(低抵抗)になる性質を使って情報を記録します。強誘電体のHfO2は、薄膜で直方晶という特別な相になることで強誘電性を示し、FeFETや強誘電体メモリに使われます。
製造工程の中でも相転移はあちこちで起きています。アモルファスにしたシリコンを熱処理で結晶に戻す固相エピタキシャル成長、チタンシリサイドが高抵抗のC49相から低抵抗のC54相に変わる変化や、ニッケルシリサイドが高温で高抵抗のNiSi2に変わってしまう変化、レーザーアニールで表面をごく短時間溶かして再結晶させる処理などです。どの相になるかで抵抗や体積が変わるため、温度と時間の管理が重要になります。
図解
相転移では体積も変わるため、膜のひずみやはがれにつながることもある。よくある質問(FAQ)
相変化メモリはどのように相転移を使っていますか?
GeSbTeなどの材料に大きな電流を短時間流して溶かし、急冷するとアモルファス(高抵抗)になり、少し弱い電流でゆっくり加熱すると結晶(低抵抗)に戻ります。この2つの状態の抵抗の差を0と1に対応させて情報を記録します。
シリサイドの形成で相転移が問題になるのはなぜですか?
同じ金属とシリコンの化合物でも、相によって抵抗が大きく違うためです。チタンシリサイドは高抵抗のC49相から低抵抗のC54相に変える必要があり、ニッケルシリサイドは高温になりすぎると高抵抗のNiSi2に変わってしまいます。そのため熱処理の温度と時間を厳密に管理します。
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