SEMI E188とは、半導体製造装置を工場へ搬入するときに、マルウェアを持ち込ませないための手順を定めた業界規格です。装置本体だけでなく、据付に使うノートパソコン、USBメモリ、交換部品に付属するソフトウェアまでを対象に、工場へ入れる前に検査する流れを決めています。2022年にSEMI E187と対になる形で発行されました。
この規格が必要になるのは、工場の感染経路の多くが外部から持ち込まれる機器だからです。製造装置は据付や保守のたびに装置メーカーの技術者が外部から来て、自分のパソコンを装置につなぎます。工場のネットワークをいくら分離しても、この経路が塞がれていなければ意味がありません。E188は搬入前のスキャン記録を書面で残すことを求めており、誰が確認したかを追えるようにしています。
運用では、装置メーカー側の負担が増える規格でもあります。出荷前に自社でスキャンして証跡を作り、顧客ごとに異なる受け入れ手順にも対応する必要があるためです。装置メーカーのフィールドサービスや品質部門にとって、実務上の影響が大きい規格といえます。