遠隔診断とは、装置メーカーが顧客の工場にある装置の状態を、ネットワーク越しに確認して支援する仕組みです。アラームの履歴やセンサーの値を見て原因を切り分け、現場の技術者に手順を指示します。技術者が現地に着くまでの時間を省けるため、復旧までの時間(MTTR)を短くする効果があります。
装置メーカー側では、集めた稼働データを使って部品の劣化を予測し、交換時期を提案する予知保全のサービスにつなげます。1台ごとの対応ではなく、世界中の同型機のデータを突き合わせて異常の兆候を見つけられるのが、設置台数の多いメーカーの強みになります。
一方で、工場のネットワークを外部につなぐことになるため、セキュリティ上の扱いが難しい仕組みでもあります。常時接続にせず必要なときだけ経路を開ける、通信相手と内容を限定する、接続の記録を残すといった運用が求められ、ネットワーク分離の設計と一体で決められます。半導体のOTセキュリティで必ず論点になる部分です。