サイクルタイムとは、ウェハを工場に投入してから完成して出てくるまでにかかる時間のことです。TAT(Turn Around Time)とも呼ばれます。前工程だけで数百の工程を通るため、先端のロジックでは2〜3か月かかるのが普通で、後工程とテストを含めるとさらに伸びます。
この時間の大半は、装置で加工されている時間ではなく、装置の前で順番を待っている時間です。そのため装置を増やさなくても、ロットの流し方や優先順位の付け方を変えるだけで短くできる余地があります。逆に、装置の稼働率を限界まで上げようとすると仕掛かりが増え、待ち時間が延びてサイクルタイムは悪化します。稼働率とサイクルタイムは引っ張り合う関係にあります。
サイクルタイムが短いことの価値は、納期だけではありません。新製品の立ち上げでは、試作して評価し条件を直すまでの一巡が短いほど、同じ期間で多くの改良を回せます。歩留まりの立ち上がりが早い工場は、たいていサイクルタイムが短い工場です。工程間の待ち時間に制限があるQ-time工程の管理も、この指標と一体で行われます。