予防保全(PM:Preventive Maintenance)とは、装置が壊れる前に、決めた周期で部品交換や清掃を行う保全のやり方です。半導体の製造装置では、処理したウェハの枚数や稼働時間を基準に「何枚流したらチャンバーを開けて清掃する」「何時間でこの部品を交換する」といった計画が決められており、現場ではこの作業そのものを指して「PM」と呼びます。
壊れてから直す事後保全と比べた利点は、止まるタイミングを自分で選べることです。予定された停止なら生産計画に織り込めますが、突発の故障は仕掛かり中のウェハを巻き込み、復旧も読めません。一方で周期を短くしすぎると、まだ使える部品を捨て、装置を無駄に止めることになります。どこで区切るかが装置エンジニアの判断どころです。
さらに踏み込んだのが、装置データから劣化を読み取って時期を決める予知保全です。予防保全が「周期で決める」のに対し、予知保全は「状態で決める」点が違います。PM後は加工の出来ばえが変わりやすく、チャンバーの慣らし運転(シーズニング)やダミーウェハでの確認を挟んでから生産に戻すのが普通です。