SEMI E187とは、半導体製造装置が満たすべきサイバーセキュリティの最低要件を定めた業界規格です。2022年に発行され、装置メーカーが新しく出荷する装置に対して、OSのサポート状態、ネットワーク通信、マルウェア対策、ログの記録という4つの観点から要件を示しています。装置を買う側(デバイスメーカー)が仕様書で参照し、装置を作る側がそれに応える、という使われ方をします。
具体的な要求としては、サポートが継続しているOSを使うこと、不要な通信ポートを開けないこと、マルウェア対策ソフトを動かせる構成にすること、誰がいつ何をしたかのログを残すことなどが挙げられています。これまで装置のセキュリティは各社がばらばらに要求しており、装置メーカーは顧客ごとに異なる対応を迫られていました。共通の規格ができたことで、要求が1本化される効果があります。
ただし規格が出た後も、工場に既に入っている装置(レガシー装置)は対象外のまま残ります。製造装置は15年以上使われることが珍しくないため、現場ではネットワーク分離など別の手段で古い装置を守る必要があります。マルウェアを持ち込まない受け入れ手順を定めたSEMI E188と組み合わせて使うのが一般的です。