ALD 方式別スループット比較ツール
最終更新:2026-10-07
要点
ALD 装置のスループットは、薄い膜では搬送・昇温などの付帯時間で、厚い膜ではサイクル時間で決まります。数nmの High-k 膜では枚葉式と空間分割式が、数十nmの膜ではパージ待ちのない空間分割式と多数枚を同時に処理するバッチ式が有利になりやすく、この交点を膜厚とGPCから試算できます。
膜の条件
枚葉式(時間分割)
空間分割式(回転型)
バッチ式(縦型炉)
結果
必要なサイクル数30cycle
枚葉式(時間分割) のスループット120.0枚/時
空間分割式(回転型) のスループット240.0枚/時
バッチ式(縦型炉) のスループット60.0枚/時
| 方式 | スループット | 年間処理枚数 | 1枚あたり償却費 | 1枚の処理に占める付帯時間 |
|---|---|---|---|---|
| 枚葉式(時間分割) | 120.0 枚/時 | 893,520 枚 | 336 円 | 50 % |
| 空間分割式(回転型) | 240.0 枚/時 | 1,787,040 枚 | 168 円 | 67 % |
| バッチ式(縦型炉) | 60.0 枚/時 | 446,760 枚 | 448 円 | 90 % |
初期値は方式の違いを比べるための仮定値で、特定の機種の仕様ではありません。実際の値は膜種・温度・前駆体の蒸気圧、チャンバー容積、搬送系の能力で大きく変わるので、装置メーカーの見積もりやデモの実測値に置き換えてください。
膜厚とスループットの関係
グラフの読み方
膜が薄いうちは、どの方式も1枚あたりの処理時間の大半が搬送や昇温などの付帯時間です。このため数nmのHigh-k膜やライナーでは、付帯時間の短い枚葉式とサセプタ上の複数枚を同時に処理する空間分割式が有利になります。膜が厚くなるとサイクル時間が支配的になり、パージ待ちのない空間分割式と、多数枚に時間を薄められるバッチ式が伸びます。
ただし方式はスループットだけでは決まりません。枚葉式はウェハごとに条件を変えやすく膜質と均一性を詰めやすい、バッチ式は昇温・降温に時間がかかり1回の失敗で多数枚を失う、空間分割式はガスの仕切りと回転速度で使える化学反応が限られる、といった違いがあります。方式の選び方はALD装置の選び方、深い穴で必要なパルス時間はALD段差被覆・露光量計算ツールで確認できます。