ジャンクション温度・熱抵抗 計算ツール
要点
ジャンクション温度は Tj = Ta + P × (θjc + θcs + θsa) で求まり、熱抵抗は電気抵抗と同じく直列なら足し算になります。パワー半導体の寿命は Tj で大きく変わるため、Tj(max) ぎりぎりではなく20〜30℃のマージンを取って設計するのが一般的です。このツールは Tj の計算と、許容損失・必要なヒートシンクの逆算を1画面で行います。
熱抵抗からジャンクション温度を求める
ジャンクション温度 Tj117.5℃
ケース温度 Tc97.5℃
ヒートシンク温度 Ts90.0℃
全熱抵抗 θja3.10℃/W
Tj を 125℃ 以下に保てる最大損失27.4W
必要なヒートシンク熱抵抗 θsa2.30℃/W 以下
定常状態の直列モデルです。スイッチングのパルス損失やモータ起動時のような短時間の発熱は、データシートの過渡熱インピーダンス Zth(j-c) 曲線で評価してください。
ケース上面温度の実測から推定する(ψjt)
推定ジャンクション温度 Tj = Tt + P·ψjt97.5℃
ψjt は熱抵抗ではなく「上面温度とTjの差を電力で割った係数」で、熱の大半が基板側へ逃げる表面実装パッケージでは θjc より実測に向いています。消費電力 P は上の欄の値を使います。
損失とジャンクション温度
| 損失 | Tj | 判定 |
|---|---|---|
| 6.3 W | 59.4 ℃ | OK |
| 12.5 W | 78.8 ℃ | OK |
| 18.8 W | 98.1 ℃ | OK |
| 25.0 W | 117.5 ℃ | OK |
| 31.3 W | 136.9 ℃ | 余裕不足 |
| 37.5 W | 156.3 ℃ | 定格超過 |
パッケージ別の熱抵抗の目安
| パッケージ | θja(℃/W) | θjc(℃/W) |
|---|---|---|
| SOT-23 | 約 200〜300 | —(基板への放熱が主) |
| SOIC-8 | 約 100〜160 | 約 25〜40 |
| QFN 5×6mm(パワー) | 約 40〜60(基板依存) | 約 1〜3 |
| D²PAK(TO-263) | 約 40〜60(基板依存) | 約 0.5〜1.5 |
| TO-220 | 約 60〜65(ヒートシンクなし) | 約 0.5〜2 |
| TO-247 | 約 40(ヒートシンクなし) | 約 0.2〜0.8 |
| パワーモジュール(1素子あたり) | —(ヒートシンク必須) | 約 0.05〜0.3 |
熱抵抗の考え方
熱抵抗は「1Wの熱を流したときに何℃の温度差が生じるか」を表す量で、電気回路のオームの法則と同じく、直列につながった熱抵抗は足し算になります。半導体チップの接合部で発生した熱は、ダイ → はんだ/焼結層 → 放熱板(ケース) → TIM → ヒートシンク → 空気 の順に流れ、それぞれの区間に熱抵抗があります。
パワー半導体の寿命は接合温度で大きく変わり、アレニウス則ではおよそ10℃上がるごとに寿命が半分になると言われます。そのため Tj(max) ぎりぎりではなく、20〜30℃程度のマージンを取った温度で設計するのが一般的です。SiCパワーデバイスは Tj(max) が175〜200℃と高く取れるため、ヒートシンクを小さくできることが利点の一つになっています。
関連する用語
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- パワーモジュールPower Module
- DBC基板(絶縁放熱基板)DBC / DCB Substrate
- ヒートスプレッダ/ヒートシンクHeat Spreader
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