DRAM価格の推移と変動の要因

最終更新:2026-10-03

要点

DRAMの価格は需給でほぼ決まり、2016〜18年の急騰、2019年と2022〜23年の大幅な下落、2024年の回復と、数年ごとに大きく振れてきました。供給がサムスン電子・SKハイニックス・マイクロンの3社に集中し、増産に年単位の時間がかかるためです。近年は、生産能力をAI向けのHBMに振り向けることが汎用品の供給を絞る要因になっています。

DRAM価格の主な局面(2016年以降)

DRAMの価格の方向と主な要因(概況)
時期価格の方向主な要因
2016年後半〜2018年大幅な上昇データセンター投資とスマートフォンの大容量化で需要が急増(いわゆるスーパーサイクル)
2018年後半〜2019年大幅な下落需要の一服と在庫の積み上がり、メーカーの増産
2020年〜2021年上昇在宅勤務・巣ごもり需要によるPC・サーバーの需要増
2022年後半〜2023年大幅な下落PC・スマートフォンの需要の急減と在庫の過剰。各社が減産へ
2024年回復減産の効果とAIサーバー向け需要。HBMへの生産能力の振り向けが汎用品の供給を絞る
2025年〜上昇・品薄DDR4の生産終了に伴う価格の急騰や、AI向けの需要増でメモリ全般の供給がひっ迫したと報じられた

※ 価格の具体的な数値は、TrendForce(DRAMeXchange)などの調査会社が公表する契約価格・スポット価格を参照してください。ここでは公開報道をもとに方向と要因を整理しています。

契約価格とスポット価格

DRAMの価格には、メーカーとPC・サーバー・スマートフォンのメーカーなどの大口顧客が、月ごと・四半期ごとに交渉して決める契約価格と、販売代理店や小売の市場で日々取引されるスポット価格があります。取引量の大部分は契約価格ですが、スポット価格は需給の変化を早く映すため、契約価格の先行指標として注目されます。価格は、DDR4・DDR5などの世代と容量(8Gb・16Gbなど)ごとに示されます。

DRAM価格が大きく振れる理由

DRAMは、規格の決まった汎用品で製品による差がつきにくく、価格は需給でほぼ決まります。供給はサムスン電子・SKハイニックス・マイクロンの3社で大半を占め、工場の建設から量産までに年単位の時間がかかるため、需要の変化に供給が追いつかず、価格が大きく上下します。これがシリコンサイクルの代表的な姿です。

近年の新しい要因がHBMです。HBMは同じ容量でも汎用DRAMより多くのウェハを必要とするため、メーカーがAI向けのHBMに生産能力を振り向けるほど、汎用のDRAMの供給が絞られ、価格を押し上げる方向に働きます。製品の違いはDDR4とDDR5の違い、HBMとGDDR6の違い、HBMの世代はHBM世代表を参照してください。

関連する用語

DRAM(ダイナミックRAM)DRAM (Dynamic Random-Access Memory)HBM(高帯域幅メモリ)High Bandwidth MemoryDDR5(第5世代SDRAM)DDR5 SDRAMDDR4メモリDDR4 SDRAM半導体サイクルSemiconductor CycleBB比(Book-to-Billレシオ)Book-to-Bill Ratioラーニングカーブ(学習曲線)Learning Curve

関連する比較記事

DDR4とDDR5の違い(速度・電圧・互換性の比較)HBMとGDDR6の違い(AI GPU向けメモリ比較)NANDとDRAMの違いとは|速度・用途・製造プロセスを徹底比較SamsungとSK Hynixの違い(DRAM・HBM・NANDのメモリ競争比較)

関連する企業

Samsung Electronics(サムスン電子)KRSK hynix(SKハイニックス)KRMicron Technology(マイクロン)USNanya Technology(南亜科技)TW