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最終更新 2026-10-28

逆格子とは(逆格子空間)

Reciprocal Lattice

逆格子とは、結晶の原子の並びをもとに数学的に作られるもう1つの格子で、その1つ1つの点が実空間の格子面の組に対応します。X線回折は散乱の向きの変化が逆格子の点に一致したときに起こり、半導体のバンド構造も逆格子の空間のブリルアンゾーンの中で描かれます。

目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ
  6. 出典・参考資料

定義・解説

逆格子とは、結晶の原子の並び(実空間の格子)をもとに、数学的に作られるもう1つの格子のことです。実空間の格子の基本の長さ(格子定数)が大きいほど、逆格子の間隔は小さくなる、という「逆」の関係にあります。逆格子の1つ1つの点は、実空間の結晶の中のある向きの格子面の組に対応しており、その点への方向は面に垂直な向き、原点からの距離は面間隔の逆数に比例します。

逆格子は、波と結晶のかかわりを考えるときに便利な道具です。X線回折では、入射したX線と回折したX線の波の向きの差(散乱ベクトル)が、逆格子の点に一致したときだけ強い回折が起こります。これはブラッグの式と同じ条件を、別の形で表したものです。単結晶の回折の模様(逆格子マップ)を測ると、エピタキシャル膜のひずみや組成、結晶の傾きを一度に評価できます。

半導体の電子の性質も、逆格子の空間(波数の空間)で考えます。結晶の中の電子のエネルギーと波数の関係(バンド構造)は、逆格子の基本の単位であるブリルアンゾーンの中で描かれます。シリコンの伝導帯の底がどの方向にあるか、直接遷移型か間接遷移型かといった性質も、この空間で表されます。

図解

実空間の格子と逆格子を、表すもの・長さの関係・使われる場面・基本の単位で比較した表

図をタップで2倍に拡大

逆格子点への距離は面間隔の逆数に比例する。

よくある質問(FAQ)

逆格子はなぜ必要なのですか?
X線や電子の回折、結晶の中の電子の波のように、波と結晶のかかわりを扱うときに、条件を簡単に表せるからです。回折が起こる条件や、電子のエネルギーと波数の関係(バンド構造)は、逆格子の空間で考えると見通しよく整理できます。
逆格子マップとは何ですか?
X線回折で、入射角と回折角を少しずつ変えながら、ある逆格子点の周りの回折の強さを2次元の地図のように測ったものです。基板と膜の逆格子点の位置関係から、膜のひずみ(基板に合わせて伸び縮みしているか)、組成、結晶の傾きを同時に評価できます。

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 名古屋工業大学 川崎晋司「X線・電子線回折と逆格子」(2026/10/28 確認)
  2. 慶應義塾大学 伊藤公平研究室「逆格子(講義ノート)」(2026/10/28 確認)