充填率(原子充填率)とは、結晶の単位格子の体積のうち、原子(球とみなしたもの)が占めている体積の割合です。単位格子の中の原子の数×1個の球の体積÷単位格子の体積で求めます。原子がどれだけぎっしり詰まっているかを表す値で、同じ大きさの球を詰めたときの最大値は約74%(π/3√2)です。
計算の鍵は、原子どうしがどの方向で接しているかを見つけることです。単純立方格子では辺の方向で接し、充填率は約52%。体心立方格子では立方体の対角線の方向で接し、約68%。面心立方格子では面の対角線の方向で接し、約74%になります。六方最密構造も面心立方格子と同じ約74%です。
シリコンのダイヤモンド構造の充填率は約34%と、金属の結晶に比べて非常に低い値です。原子が共有結合で正四面体の方向に4本の手しか出さないため、すき間が多くなるからです。このすき間のおかげで、結晶の中を不純物の原子が移動(拡散)したり、格子の間に入り込んだり(格子間原子)しやすくなります。