ブラッグの法則とは、結晶にX線を当てたとき、平行に並んだ原子の面で反射したX線どうしが強め合う条件を表す関係で、nλ=2d sinθと書きます。λはX線の波長、dは原子の面の間隔(面間隔)、θはX線と面のなす角、nは整数です。1913年にイギリスのブラッグ父子が導き、X線で結晶の構造を調べる方法の基礎になりました。
隣り合う面で反射したX線は、進む距離が2d sinθだけ違います。この差が波長の整数倍になると、波の山と山がそろって強め合い、強い回折が起こります。半導体のX線回折では、銅の特性X線(Cu Kα、波長約0.1541nm)がよく使われ、シリコンの(111)面(d≒0.3136nm)では2θ≒28.4°、(400)面では2θ≒69.1°に回折のピークが現れます。
回折の角度から面間隔が分かるため、結晶の種類の特定、格子定数やひずみの測定、エピタキシャル膜の組成の評価に使われます。ブラッグの法則は光にも当てはまり、屈折率の違う薄い膜を周期的に重ねた分布ブラッグ反射器(DBR)は、特定の波長の光だけを強く反射する鏡として、面発光レーザーなどに使われています。EUV露光のマスクやミラーの多層膜も同じ原理です。