ヘテロ接合とは、バンドギャップなどの性質が異なる2種類の半導体を接合したものです。同じ半導体どうしでp型とn型をつないだ通常のpn接合をホモ接合と呼ぶのに対し、GaAsとAlGaAs、GaNとAlGaN、SiとSiGeのように、異なる材料を結晶として連続させた接合を指します。「ヘテロ」は「異なる」を意味するギリシャ語に由来します。
材料のバンドギャップの違いは、接合面で伝導帯と価電子帯の段差(バンドオフセット)として現れます。この段差を使うと、電子や正孔を特定の層に閉じ込めたり、一方向には流れやすく反対方向には流れにくくしたりと、ホモ接合ではできない設計が可能になります。質の良いヘテロ接合を作るには、格子定数の近い材料の組み合わせを選ぶか、ひずみが緩和しない臨界膜厚以下に膜を抑える必要があります。実際には、MOCVDやMBEによるエピタキシャル成長で、原子レベルで急峻な界面を作ります。
代表的な応用には次のようなものがあります。HEMT(高電子移動度トランジスタ)は、AlGaAs/GaAsやAlGaN/GaNの界面にできる2次元電子ガスを使い、高周波・高出力で動作します。HBT(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)は、エミッタにバンドギャップの広い材料を使って電流増幅率を高めたもので、スマートフォンのパワーアンプに使われます。半導体レーザーやLEDでは、ダブルヘテロ構造でキャリアと光を活性層に閉じ込めて発光効率を上げており、この研究は2000年のノーベル物理学賞(アルフョーロフとクレーマー)の対象になりました。ほかに、アモルファスシリコンと結晶シリコンを組み合わせたヘテロ接合太陽電池(HJT)も高効率な太陽電池として量産されています。