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最終更新 2026-10-28

クヌーセン数とは

Knudsen Number

クヌーセン数とは、気体の分子がぶつかるまでに進む平均の距離(平均自由行程)と、配管の直径などの長さの比(Kn=λ/L)です。小さいと気体は流体のように流れる粘性流、大きいと分子が壁にぶつかりながら飛ぶ分子流になります。微細な穴の中のガスの動きを考えるときにも使われます。

目次5項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ

定義・解説

クヌーセン数(Kn)とは、気体の分子が他の分子にぶつかるまでに進む平均の距離(平均自由行程λ)と、配管の直径やすき間の幅などの代表的な長さLの比(Kn=λ/L)です。気体の流れ方が、分子どうしがぶつかり合う流体としてのふるまいになるか、分子が壁にぶつかりながら1つずつ飛ぶふるまいになるかを判断する目安です。デンマークの物理学者クヌーセンの名前から来ています。

クヌーセン数が小さい(おおむね0.01未満)ときは、分子どうしが頻繁にぶつかり、気体は粘り気のある流体のように流れます(粘性流)。大きい(おおむね0.5〜1以上)ときは、分子どうしはほとんどぶつからず、壁にぶつかりながら飛ぶ分子流になります。その間は中間流と呼ばれます。圧力が下がるほど平均自由行程が長くなるため、同じ配管でも真空度が上がるとクヌーセン数が大きくなります。

半導体の製造では、配管の設計だけでなく、ウェハの上の細かい構造の中のガスの動きを考えるときにも使われます。深い穴や溝の幅は数十nm程度と非常に小さいため、ふつうの圧力でも穴の中ではクヌーセン数が大きくなり、ガスの分子は壁にぶつかりながら奥へ進みます。この性質が、深い穴の底まで膜が付きにくいことや、エッチングが奥ほど遅くなる現象(ARDE)の理由の1つです。

図解

クヌーセン数の範囲ごとに粘性流、中間流、分子流の特徴を並べた表

図をタップで2倍に拡大

境目の値は文献によって多少異なる。

よくある質問(FAQ)

クヌーセン数で流れはどう分けられますか?
おおむね、クヌーセン数が0.01未満なら粘性流、0.01〜0.5(または1)程度なら中間流、それ以上なら分子流とされます。境目の値は文献によって少し異なります。圧力が下がるほど平均自由行程が伸び、クヌーセン数が大きくなります。
微細な穴の中ではなぜ分子流になるのですか?
数十nmの穴の幅は、気体の平均自由行程(大気圧でも約70nm、真空中ではさらに長い)と同じか、それよりずっと小さいためです。分子どうしがぶつかる前に穴の壁にぶつかるため、分子は壁で跳ね返りながら1つずつ奥へ進みます。

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