到達圧力(到達真空度)とは、真空ポンプやそれでつないだチャンバーを、ガスを入れずに十分長い時間排気し続けたときに、それ以上は下がらずに落ち着く最低の圧力のことです。ポンプの性能を表す値としてカタログに示されるほか、装置のチャンバーが正しく組み立てられ、汚れやもれがないかを確かめる目安にもなります。
チャンバーの圧力は、ポンプが気体を引く量と、チャンバーに入ってくる気体の量のつり合いで決まります。入ってくる気体には、壁や部品の表面から出てくる水分などの放出ガス、継ぎ目やバルブからのもれ(リーク)、ポンプ自身から逆流してくる気体があります。到達圧力はp=Q(入ってくる気体の量)/S(排気速度)で見積もれ、放出ガスやリークを減らすほど低くなります。
高い真空の装置では、多くの場合、壁から出てくる水分が到達圧力を決めています。そのため、チャンバーを加熱して水分を追い出すベーキングや、表面を磨いて面積を減らす処理、放出ガスの少ない材料の選択が行われます。到達圧力に達するまでの時間や、その後の圧力の上昇の速さを日常的に記録しておくと、Oリングの劣化やリークの発生をいち早く見つけられます。