排気速度とは、真空ポンプが1秒間(または1分間、1時間)にどれだけの体積の気体を吸い込めるかを表す値で、単位はL/s(リットル毎秒)やm³/hで表します。ポンプの入り口の圧力をp、ポンプが流している気体の量(流量)をQとすると、S=Q/pの関係があります。真空ポンプの大きさや能力を比べるときの基本の数値です。
実際にチャンバーを引く速さ(実効排気速度)は、ポンプ自体の排気速度だけでなく、間をつなぐ配管の流れやすさ(コンダクタンスC)にも左右され、1/S実効=1/Sポンプ+1/Cで求められます。配管のコンダクタンスが小さいと、どんなに大きなポンプをつないでも、実効排気速度は配管のコンダクタンス以上にはなりません。高真空の分子流の領域では特にこの影響が大きく、ポンプはチャンバーの近くに太い口で取り付けます。
排気速度は気体の種類や圧力によっても変わります。ターボ分子ポンプは軽い水素やヘリウムの排気速度が小さく、クライオポンプは水蒸気を非常に速く排気できます。また、ポンプの排気速度とチャンバーに入ってくる気体の量(ガスの導入、壁からの放出、リーク)のつり合いで、到達できる圧力が決まります。プロセスでガスを流しながら一定の圧力を保つ装置では、必要な流量と圧力から、必要な排気速度を見積もります。