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最終更新 2026-10-28

分子流・粘性流とは(真空の流れ)

Molecular Flow and Viscous Flow

分子流と粘性流とは、真空の中の気体の2つの流れ方で、粘性流は分子どうしがぶつかり合ってまとまって流れ、分子流は分子が壁にぶつかりながらばらばらに飛びます。ふつうの配管ではおおむね0.1Pa程度より低い圧力で分子流になり、配管の流れやすさが圧力によらず一定になるため、太く短い配管が必要です。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

分子流と粘性流とは、真空の配管やチャンバーの中の気体の流れ方の2つの状態です。粘性流は、圧力が比較的高く、気体の分子どうしが頻繁にぶつかり合いながら、水の流れのように全体としてまとまって流れる状態です。分子流は、圧力が低く、分子どうしはほとんどぶつからず、1つ1つの分子が配管の壁にぶつかりながら、ばらばらに飛んでいく状態です。その間の状態を中間流と呼びます。

どちらになるかは、分子の平均自由行程と配管の太さの比(クヌーセン数)で決まります。ふつうの太さの配管では、大気圧からおおむね数十〜数Pa程度までが粘性流、0.1Pa程度より低い圧力では分子流になります。粘性流では、配管の流れやすさ(コンダクタンス)が圧力に比例して大きくなりますが、分子流では圧力によらず一定になり、配管の太さと長さだけで決まります。

この違いは真空の装置の設計に大きく影響します。大気圧から排気する最初の段階は粘性流で、ドライポンプなどで大量の気体を速く引けます。高真空の領域では分子流になり、分子が偶然ポンプの入り口に飛び込むのを待つことになるため、ターボ分子ポンプを太く短い配管でチャンバーに直結して、コンダクタンスを大きくします。細く長い配管は、分子流の領域では排気の速さを大きく下げてしまいます。

図解

粘性流と分子流を、圧力・分子の動き・コンダクタンス・主なポンプで比較した表

図をタップで2倍に拡大

境目は配管の太さとクヌーセン数で決まる。

よくある質問(FAQ)

分子流と粘性流の境目の圧力はどのくらいですか?
配管の太さによりますが、直径数cmの配管では、おおむね数Pa以上で粘性流、0.1Pa程度以下で分子流、その間が中間流です。正確には、平均自由行程と配管の直径の比(クヌーセン数)で判断します。配管が細いほど、高い圧力でも分子流になります。
分子流ではなぜ太く短い配管が必要なのですか?
分子流では、分子が配管の壁にぶつかりながらばらばらに飛ぶため、配管が細く長いほど分子が出口までたどり着く確率が下がり、流れやすさ(コンダクタンス)が大きく下がるからです。ポンプの能力を生かすため、ターボ分子ポンプはチャンバーに直接取り付けることが多くあります。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 応用物理学会「真空・減圧プロセスにおける気体の流れの解析(第63回応用物理学会春季学術講演会 分科企画シンポジウム)」(2026/10/28 確認)