ベガード則(ベガードの法則)とは、2種類の物質を混ぜた混晶(固溶体)の格子定数が、成分の割合に応じて、それぞれの物質の格子定数の間を直線的に変わるという経験則です。成分Bの割合をxとすると、a(x)=(1−x)·aA+x·aBと書けます。1921年にノルウェーの物理学者ベガードが提案しました。
半導体では、SiGe(シリコンゲルマニウム)やAlGaAs、InGaN、AlGaNなどの混晶の組成を求めるのによく使われます。たとえばシリコンの格子定数0.5431nm、ゲルマニウムの0.5658nmから、ゲルマニウムを20%含むSiGeの格子定数は約0.5476nmと見積もれます。X線回折で膜の格子定数を測れば、逆にベガード則から組成を求められます。
ベガード則はあくまで近似で、実際の格子定数は直線からわずかにずれる(たわむ)ことがあります。高い精度が必要な場合は、ずれを表す補正の項(ボーイングパラメータ)を加えます。また、エピタキシャル膜は基板に合わせてひずんでいるため、測った面間隔から組成を求めるときは、ひずみの影響を取り除く必要があります。バンドギャップも組成で変わりますが、こちらは直線から大きくずれることが多いです。