アモルファス(非晶質)とは、原子の並びに、結晶のような長い距離にわたる規則性がない固体の状態です。すぐ隣の原子との結合の長さや角度はある程度そろっていますが、少し離れると並びが乱れています。ガラスが代表的な例で、溶けた状態から急に冷やしたり、低い温度で薄い膜を付けたりすると、原子が規則正しく並ぶ前に固まってアモルファスになります。
半導体の製造では、アモルファスの材料がいたるところで使われています。ゲート絶縁膜や層間絶縁膜のシリコン酸化膜はアモルファスで、結晶の粒の境目がないため均一で、電流のもれる道ができにくい性質があります。液晶ディスプレーのトランジスタや薄膜の太陽電池には、水素を含むアモルファスシリコン(a-Si:H)や、アモルファスの酸化物半導体(IGZO)が使われます。
結晶のシリコンをわざとアモルファスにすることもあります。イオン注入で表面をアモルファスにすると(プリアモルファス化)、ドーパントが結晶の隙間を通って深く入り込むチャネリングを防げます。その後の熱処理でアモルファスの層は下の結晶にそろって結晶に戻り(固相エピタキシャル成長)、ドーパントを効率よく活性化できます。アモルファスと単結晶の中間で、小さな結晶の粒が集まったものが多結晶(ポリシリコンなど)です。