最終更新 2026-10-19

XRDとは(X線回折)

X-ray Diffraction (XRD)

XRD(X線回折)とは、結晶にX線を当て、原子の並びで特定の角度に強く反射されるX線を測って、結晶の構造や原子の間隔を調べる分析方法です。回折の角度はブラッグの式で原子の面の間隔と結びつきます。半導体では、SiGeやGaNなどのエピタキシャル膜の組成とひずみ、結晶の乱れの評価に欠かせません。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

XRD(X-ray Diffraction:X線回折)とは、結晶にX線を当て、原子の規則正しい並びで特定の方向に強く反射される(回折する)X線を測ることで、結晶の構造や原子の間隔を調べる分析方法です。X線の波長は原子の間隔と同じくらい(約0.1nm)のため、結晶の中で原子の面に反射したX線どうしが強め合う角度が、原子の面の間隔によって決まります。

回折が起こる条件はブラッグの式(nλ=2d sinθ)で表され、λはX線の波長、dは原子の面の間隔、θは入射の角度です。回折したX線の強さを角度ごとに測ると、どのような結晶がどれくらい含まれているか(結晶相)、原子の間隔(格子定数)、結晶の粒の大きさ、結晶の向きの揃い方などが分かります。

半導体では、エピタキシャル成長した膜の評価に欠かせません。高分解能XRDでは、SiGeやGaN・AlGaNなどの膜の組成と、下の結晶との格子のずれによるひずみ、結晶の乱れ(ロッキングカーブの幅)を測ります。また、X線をごく浅い角度で当てて反射の強さの振動を測るXRR(X線反射率法)では、薄い膜の厚さと密度、表面や界面の粗さを求められます。ウェハを壊さずに測れるため、研究開発から量産の管理まで使われています。

図解

XRDで分かる結晶相の同定、格子定数とひずみ、結晶の乱れ、XRRによる膜厚と密度の一覧
回折の条件はブラッグの式 nλ=2d sinθ で表される。

よくある質問(FAQ)

XRDとXRFの違いは何ですか?
どちらもX線を使いますが、測るものが違います。XRD(X線回折)は回折したX線の角度から結晶の構造や原子の間隔を調べます。XRF(蛍光X線分析)は、X線を当てたときに元素から出てくる固有のX線(蛍光X線)のエネルギーから、どの元素がどれだけ含まれているかを調べます。
XRDでひずみが分かるのはなぜですか?
結晶がひずむと原子の面の間隔がわずかに伸びたり縮んだりし、ブラッグの式に従って回折の角度がずれるからです。下の基板と膜の回折のピークの位置の差を精密に測ると、膜の格子定数とひずみの量、組成が分かります。

設備の製造メーカー

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出典・参考資料

  1. 東レリサーチセンター「X線回折(X-ray Diffraction:XRD)」(2026/10/19 確認)