XRD(X-ray Diffraction:X線回折)とは、結晶にX線を当て、原子の規則正しい並びで特定の方向に強く反射される(回折する)X線を測ることで、結晶の構造や原子の間隔を調べる分析方法です。X線の波長は原子の間隔と同じくらい(約0.1nm)のため、結晶の中で原子の面に反射したX線どうしが強め合う角度が、原子の面の間隔によって決まります。
回折が起こる条件はブラッグの式(nλ=2d sinθ)で表され、λはX線の波長、dは原子の面の間隔、θは入射の角度です。回折したX線の強さを角度ごとに測ると、どのような結晶がどれくらい含まれているか(結晶相)、原子の間隔(格子定数)、結晶の粒の大きさ、結晶の向きの揃い方などが分かります。
半導体では、エピタキシャル成長した膜の評価に欠かせません。高分解能XRDでは、SiGeやGaN・AlGaNなどの膜の組成と、下の結晶との格子のずれによるひずみ、結晶の乱れ(ロッキングカーブの幅)を測ります。また、X線をごく浅い角度で当てて反射の強さの振動を測るXRR(X線反射率法)では、薄い膜の厚さと密度、表面や界面の粗さを求められます。ウェハを壊さずに測れるため、研究開発から量産の管理まで使われています。