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最終更新 2026-10-28

格子不整合とは(格子ミスマッチ)

Lattice Mismatch

格子不整合とは、基板の上に別の材料の結晶を成長させるとき、基板と膜の原子の間隔(格子定数)が違っていることです。膜が薄いうちは基板に合わせてひずみますが、臨界膜厚を超えると転位という欠陥ができます。シリコンとゲルマニウムで約4.2%、シリコン上のGaNで約17%の不整合があります。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

格子不整合(格子ミスマッチ)とは、基板の上に別の材料の結晶を成長させる(ヘテロエピタキシャル成長)とき、基板と膜の格子定数(原子の間隔)が違っていることです。違いの大きさを格子不整合度と呼び、f=(a膜−a基板)/a基板で表します。たとえばシリコンとゲルマニウムの格子不整合度は約4.2%です。

格子不整合があっても、膜が十分に薄いうちは、膜の結晶が基板の原子の間隔に合わせて伸び縮みし(ひずみ)、欠陥のない膜になります。このひずみは、トランジスタの性能を上げるひずみシリコン技術などに意図的に使われます。しかし膜が厚くなってひずみのエネルギーがたまると、ある厚さ(臨界膜厚)を超えたところで、ひずみを解消するために界面にミスフィット転位という欠陥ができ、そこから膜の中を貫く転位が広がります。

格子不整合が大きい組み合わせほど、欠陥の少ない膜を作るのが難しくなります。シリコン基板の上のGaN(不整合が約17%)では、AlNなどのバッファ層を挟んだり、組成を少しずつ変えた層を重ねたりして、欠陥を減らし、ひずみによる反りや割れを防ぎます。サファイアやSiCの基板の上のGaNも、格子不整合と熱膨張の違いをいかに吸収するかが、結晶の品質を決める大きな課題です。

図解

SiGe/Si、Ge/Si、GaN/SiC、GaN/サファイア、GaN/Siの格子不整合度と用途の一覧

図をタップで2倍に拡大

値は面内の格子定数から求めた代表的な目安。

よくある質問(FAQ)

格子不整合度はどう計算しますか?
膜の格子定数から基板の格子定数を引き、基板の格子定数で割ります。シリコン(0.5431nm)の上のゲルマニウム(0.5658nm)なら、(0.5658−0.5431)/0.5431≒0.042で、約4.2%です。値が正なら膜は基板に合わせて縮められ(圧縮ひずみ)、負なら伸ばされます(引っ張りひずみ)。
格子不整合はなぜ問題になるのですか?
膜が臨界膜厚を超えて厚くなると、ひずみを解消するために転位という欠陥ができ、膜の中に広がるためです。転位はリーク電流や発光効率の低下、信頼性の悪化の原因になります。また、大きなひずみはウェハの反りや膜の割れも引き起こします。

設備の製造メーカー

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出典・参考資料

  1. 山梨大学 鍋谷暢一「結晶工学特論 第3回目」(2026/10/28 確認)