レトロフィットとは、すでに工場で動いている装置に後から手を入れ、性能や機能を上げることです。装置を丸ごと買い替えるより安く、設置場所もそのまま使えるため、成熟ラインの生産性を上げる手段としてよく使われます。装置メーカーにとっては、設置済みの装置を母数にした継続的な事業になります。
半導体でよくあるのは、制御系の更新です。サポートの切れたOSで動いている制御パソコンを新しくし、工場のセキュリティ要件とデータ収集の要件に合わせます。ほかにも、搬送部を速くしてスループットを上げる、センサーを追加して異常検知やAPCに使えるデータを取れるようにする、といった改造があります。
注意が要るのは、改造が加工結果に影響する場合です。搬送や温度制御に手を入れれば、出来ばえが変わる可能性があります。そのため改造後は、プロセスエンジニアがテストウェハで特性を確認し、必要なら工程の再認定を行ってから量産に戻します。顧客への変更通知(PCN)が必要になることもあります。