稼働率(かどうりつ)とは、設備が全体の時間のうち実際に生産などのために動いている時間の割合のことです。半導体工場では、製造装置がどれだけ有効に使われているかを表す基本的な指標で、高価な装置の投資効率を左右します。英語では文脈によりUtilization(利用率)、Availability(可用率)、Uptime(稼働時間)、Operating Rateなどと訳され、何を分母・分子にするかで意味が変わるため、定義をそろえて使うことが重要です。日本の製造業では、設備が動いた割合の稼働率と、動かしたいときに正常に動ける割合の可動率(べきどうりつ)を区別することもあります。
半導体装置の時間の分類には、SEMI E10という規格が広く使われています。総時間を、実際に製品を処理している生産時間(Productive)、動ける状態で仕事を待っているスタンバイ時間、工程の開発や条件出しに使うエンジニアリング時間、計画的な保守の時間(計画停止)、故障などによる計画外の停止時間、そもそも稼働を予定していない時間に分けます。このうち装置が動ける状態にある時間の割合を可用性(アップタイム)、そのうち実際に製品を処理した時間の割合を利用率として区別し、停止の原因ごとに改善策を考えます。
稼働率と並んでよく使われるのがOEE(総合設備効率:Overall Equipment Efficiency)で、可用性×性能(本来の速度に対する実際の処理速度)×品質(良品率)で求めます。装置が止まっていなくても、処理の速度が落ちていたり不良を作っていたりすれば、実質的な能力は失われているという考え方です。半導体工場では、故障の予兆を捉えて計画外の停止を減らす予知保全や、保守の手順の短縮、仕事を待つ時間を減らす搬送と投入の最適化で稼働率を高めます。SemiraiのOEE計算ツールで、可用性・性能・品質から総合効率を試算できます。