SEDD(SECS Equipment Data Dictionary)とは、半導体製造装置がSECS/GEM通信で扱うデータの一覧と定義を、機械が読み取れるXML形式のファイルで記述するための規格です。SEMIの規格番号はE172で、装置メーカーが装置ごとのSEDDファイルを作成し、工場側に提供します。
SECS/GEMでは、装置の状態を表すステータス変数(SVID)、装置の設定値である装置定数(ECID)、イベントに付随して送るデータ変数(DVID)、状態変化を知らせる収集イベント(CEID)、アラーム(ALID)、ホストから送るリモートコマンドなどを、装置ごとにIDと型を決めて使います。従来これらは、装置メーカーが作るPDFや表計算ファイルの通信仕様書に記載され、工場のエンジニアが読み取ってホストやMESに手作業で設定していました。
SEDDでは、これらの項目をID・名称・データ型・単位・説明とともに決められた形式で記述します。ホスト側のソフトウェアがファイルを直接取り込めるため、装置をつなぐときの設定作業を自動化でき、手入力による設定ミスも減らせます。装置のソフトウェア更新で変数が増減したときも、ファイルを差し替えるだけで変更点を反映できます。
工場では、新しい装置を導入してから量産に使えるようになるまでに、ホストとの通信の立ち上げに時間がかかります。SEDDは、装置メーカーごとに書式がばらばらだった通信仕様書を標準化し、この立ち上げ期間を短くすることを目的としています。
なお、装置から大量のデータを高速に収集するためのEDA(Interface A)規格群でも、装置が自身のデータ構造を記述する仕組み(装置メタデータ)が定められています。SEDDは、従来からあるSECS/GEM通信の側で同様の自己記述を実現するものと位置付けられます。