エッチング時間・オーバーエッチ・選択比 計算ツール
最終更新:2026-09-26
要点
膜厚とエッチレートには面内ばらつきがあるため、平均の時間で止めると遅い場所で膜が残り、ジャストエッチ時間の20〜50%程度のオーバーエッチが必要になります。先に膜が抜けた場所ではその間ずっと下地が削られるため、下地の削れ量は選択比とオーバーエッチ時間で決まります。
入力
総エッチ時間(オーバーエッチ込み)156.0 秒(2.60 分)
ジャストエッチ時間(平均)120.0秒
面内で最も遅い点が抜ける時間130.1秒
全面を抜くのに最低限必要なオーバーエッチ8.4%
下地の最大削れ量(最も速い点)11.8nm
削れを 5 nm に抑えるのに必要な選択比23.7
マスクの残膜70nm
下地の削れ量が許容値を超えています。選択比の高い条件(オーバーエッチステップでのガス・バイアス変更)への切り替えを検討してください。
エッチレートは時間によらず一定、面内分布は「膜厚が最も厚い点でレートが最も遅い」最悪の組み合わせで見積もっています。実際のエッチングではパターン密度によるマイクロローディングや、アスペクト比が大きくなるほどレートが落ちるARDEの影響も加わります。
オーバーエッチ率と下地削れ・マスク残膜
| オーバーエッチ | 総時間 | 膜の除去 | 下地の最大削れ | マスク残膜 |
|---|---|---|---|---|
| 0% | 120 秒 | 残りあり | 2.4 nm | 100 nm |
| 10% | 132 秒 | 全面除去 | 5.6 nm | 90 nm |
| 20% | 144 秒 | 全面除去 | 8.7 nm | 80 nm |
| 30% | 156 秒 | 全面除去 | 11.8 nm | 70 nm |
| 50% | 180 秒 | 全面除去 | 18.1 nm | 50 nm |
| 100% | 240 秒 | 全面除去 | 33.9 nm | 0 nm |
オーバーエッチが必要な理由
膜厚とエッチレートには必ず面内のばらつきがあるため、平均的な時間でエッチングを止めると、膜が厚くレートの遅い場所で膜が残ります。これを防ぐのがオーバーエッチで、ジャストエッチ時間の20〜50%程度を追加するのが一般的です。段差の側壁に沿って残る膜(ストリンガー)を除去するためにも、オーバーエッチは欠かせません。
一方、先に膜が抜けた場所ではオーバーエッチの間ずっと下地が削られるため、下地に対する選択比が低いと下地が失われます。実際のプロセスでは、発光分光による終点検出(エンドポイント)で膜が抜けた瞬間を捉え、そこから選択比の高い条件に切り替えてオーバーエッチを行うことで、エッチ残りと下地削れを両立させています。