マイクロローディング効果(Microloading Effect)とは、ドライエッチングで、パターンの密度や開口の大きさの違いによってエッチング速度が局所的に変わってしまう現象です。同じウェハの同じ条件で処理しても、パターンが密集した場所と疎らな場所、開口の広い場所と狭い場所で削れる深さや速さに差が出ます。ウェハ全体の開口面積によって速度が変わる(マクロ)ローディング効果に対し、チップ内の微小な領域での差であることから「マイクロ」と呼ばれます。
原因は、エッチングに使われる反応種(ラジカルやイオン)の局所的な消費と輸送のされ方です。開口が密集した領域では、多くの面で反応種が同時に消費されるため周囲より反応種が不足し、エッチング速度が下がります。また、細く深い穴や溝では、反応種が底まで届きにくく、反応生成物も抜け出しにくいため、アスペクト比が高いほど速度が落ちます。この開口の狭さや深さに伴う速度低下は、RIEラグやARDE(Aspect Ratio Dependent Etching:アスペクト比依存エッチング)とも呼ばれ、広い意味でのマイクロローディング効果に含めて扱われます。条件によっては逆に、狭い開口のほうが速く削れる逆マイクロローディングも起こります。
マイクロローディング効果があると、深さを揃える必要がある溝やコンタクトホールで、ある場所は削り足りず別の場所は削りすぎるといった不均一が生じます。削り残しを防ぐためにオーバーエッチングを増やすと、先に抜けた場所の下地が削れてしまいます。対策としては、ガス圧を下げて反応種の輸送を改善する、パルスプラズマで反応生成物を抜く時間を作る、エッチングと保護膜形成を切り替える、設計段階でダミーパターンを入れて密度を揃える、といった方法が取られます。3D NANDの深いメモリホールなど、高アスペクト比のエッチングで特に重要な課題です。