イオン注入プロファイル計算ツール(Rp・ピーク濃度・接合深さ)

最終更新:2026-09-21

要点

イオン注入の濃度分布は、投影飛程 Rp を中心、ΔRp を標準偏差とするガウス分布で近似できます。ピーク濃度は約 0.4 × ドーズ / ΔRp、接合深さは基板濃度と交わる深さです。同じ100keVでもボロンのRpは約300nm、ヒ素は約60nmと5倍違い、浅い接合にはBF₂⁺で実効エネルギーを11/49に下げる方法が使われます。

入力

ピーク濃度 Np1.08×10²⁰cm⁻³
投影飛程 Rp98.7nm
飛程の標準偏差 ΔRp37.1nm
接合深さ xj(N = NB)258.6nm
シート抵抗の目安(全量活性化・拡散なし)118Ω/sq

濃度プロファイル

10¹⁵10¹⁶10¹⁷10¹⁸10¹⁹10²⁰10²¹050100150200250深さ(nm)濃度(cm⁻³)
ボロン B⁺(ガウス分布)基板濃度 NB

ガウス分布は1次近似です。実際のボロンは深い側に裾を引き(ピアソンIV分布)、結晶に沿って入るチャネリングで裾がさらに伸びます。活性化アニールでは拡散によりプロファイルが広がるため、ここでの接合深さはアニール前の値です。

投影飛程 Rp / ΔRp の早見表(nm)

LSS理論によるシリコン中の Rp / ΔRp(nm)。5keVは外挿値
エネルギーボロンリンヒ素
5 keV17 / 108 / 46 / 2
10 keV33 / 1714 / 710 / 4
20 keV66 / 2825 / 1216 / 6
50 keV161 / 5061 / 2632 / 12
100 keV299 / 71124 / 4658 / 21
200 keV523 / 96254 / 78110 / 38

イオン注入プロファイルの読み方

注入されたイオンは、シリコン原子との衝突でエネルギーを失いながら止まります。止まる深さのばらつきはおおむね正規分布になり、その平均が投影飛程 Rp、標準偏差が ΔRp です。軽いボロンは深く入って広がり、重いヒ素は浅く鋭く止まるので、同じエネルギーでもボロンの Rp はヒ素の約5倍になります。

ドーズ Φ を分布の面積とすると、ピーク濃度は約 0.4Φ/ΔRp です。浅い接合を作りたいときはエネルギーを下げるのが基本ですが、低エネルギーのボロンはビーム電流が取りにくいため、質量の大きい BF₂⁺ を使ってボロンに渡るエネルギーを 11/49 に下げる方法がよく使われます。

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