フォトレジストの世界シェアと主要メーカー
最終更新:2026-10-03
要点
フォトレジストは日本企業が世界の供給の大半(8〜9割程度とされる)を占める材料で、東京応化工業とJSRが上位を争い、信越化学・住友化学・富士フイルムが続きます。露光の波長ごとに求められる材料が異なり、EUVでは化学増幅型に加えてメタルオキサイドレジストの開発も進んでいます。
露光の種類別の主要メーカー
| レジストの種類 | 露光の波長 | 主な用途 | 主要メーカー |
|---|---|---|---|
| g線・i線 | 436nm・365nm | 成熟プロセス、パワー・アナログ、厚膜 | 東京応化工業(TOK)、Merck KGaA(半導体材料)、住友化学、富士フイルム(半導体材料) |
| KrF | 248nm | メモリ・ロジックの非クリティカル層、3D NANDの厚膜 | 東京応化工業(TOK)、信越化学工業、JSR、DuPont(半導体材料) |
| ArF・ArF液浸 | 193nm | 先端ロジック・DRAMのクリティカル層 | JSR、信越化学工業、東京応化工業(TOK)、住友化学、富士フイルム(半導体材料) |
| EUV | 13.5nm | 最先端ロジック・DRAM | JSR、東京応化工業(TOK)、信越化学工業 |
※ 各社の得意分野は製品世代や顧客によって変わります。企業ごとのシェアの数値は調査会社によって差が大きいため、ここでは主要メーカーの顔ぶれを示しています。
日本企業が大半を占める市場
フォトレジストは、日本企業が世界の供給の大半を占める代表的な材料で、合計で8〜9割程度とされます。東京応化工業(TOK)とJSRが上位を争い、信越化学、住友化学、富士フイルムが続く構図です。海外では米デュポン、独メルク(主にi線・厚膜など)、韓国の東進セミケムなどが供給しています。
レジストは、樹脂・感光剤(光酸発生剤)・溶剤などの配合と、金属不純物をppt(1兆分の1)レベルまで除く精製の技術が品質を決めます。顧客の工程ごとに最適化され、採用されると長く使われるため、先行するメーカーが有利です。2019年に日本がフッ化水素などとともに韓国向けの輸出管理を厳格化した対象に含まれたことでも注目されました。
EUVレジストの動向
EUVでは、従来の化学増幅型レジストに加えて、金属酸化物を使うメタルオキサイドレジスト(MOR)の開発が進んでいます。JSRは2021年にMORの米Inpriaを買収し、その後JSR自体が2024年に官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)の傘下に入りました。詳しくはEUVレジスト、ポジとネガの違いはポジ型レジストとネガ型レジストの違いを参照してください。