用語露光装置材料最終更新 2026-10-10出典 2件Excel・PDF版

TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)とは

Tetramethylammonium Hydroxide

TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)とは、化学式(CH₃)₄NOHの強アルカリ性の有機化合物で、フォトレジストの現像液として最も広く使われています。ナトリウムやカリウムを含まず金属汚染を起こさないため、濃度2.38wt%の水溶液が世界標準です。シリコンの異方性エッチングにも使われますが、皮膚から吸収されると重い中毒を起こす毒性があります。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

TMAH(Tetramethylammonium Hydroxide:水酸化テトラメチルアンモニウム)とは、化学式(CH₃)₄NOHで表される強アルカリ性の有機化合物で、半導体製造ではフォトレジストの現像液として最も広く使われています。露光によってアルカリに溶けるようになったレジストの部分を溶かし、パターンを浮かび上がらせます。水酸化ナトリウムや水酸化カリウムと違ってナトリウム・カリウムなどの金属を含まないため、トランジスタの特性を狂わせる金属イオンの汚染を起こさない点が、半導体で標準となった理由です。

レジストの現像液としては、濃度2.38wt%(0.26規定)のTMAH水溶液が世界的な標準になっており、多くのレジストはこの濃度で最適な性能が出るように設計されています。コーター/デベロッパの中でウェハの上に現像液を液盛り(パドル)したり、回転させながら吹き付けたりして現像し、超純水でリンスします。現像の時間や温度、濃度のわずかな違いが線幅に影響するため、濃度を厳密に管理した高純度品が使われます。現像が不十分だとパターンの底にレジストの残渣(スカム)が残ります。

TMAHはシリコンの異方性ウェットエッチングにも使われます。濃度の高いTMAH水溶液は、シリコンの{111}面をほとんど削らず{100}面を速く削るため、V字溝や斜面を持つ穴を作れ、MEMSの加工に利用されます。水酸化カリウムと違って金属を含まないことから、CMOSの工程と組み合わせやすいのが利点です。一方でTMAHは、皮膚から吸収されると神経や呼吸に作用して重い中毒を起こす強い毒性を持ち、国内外で死亡事故も報告されています。取り扱いでは保護具の着用と、付着時の迅速な洗浄が徹底されます。使用後の廃液は回収して再生・処理されます。

図解

TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)の用途(現像液・エッチング)と毒性
現像液としての使用量が最も多い。取り扱いには厳重な安全管理がいる。

関連するデータ・ツール

データフォトレジストの世界シェアと主要メーカー

この用語を扱う職種

装置・材料メーカーフォトレジスト開発エンジニア

よくある質問(FAQ)

TMAHの現像液の濃度はなぜ2.38%なのですか?
2.38wt%(0.26規定)のTMAH水溶液が業界の標準濃度として定着しており、多くのフォトレジストがこの濃度で最適な解像度と感度が出るように設計されているためです。標準化されたことで、異なるメーカーのレジストでも同じ現像液を使えます。
TMAHはなぜ危険なのですか?
TMAHは皮膚から吸収されやすく、体内で神経や呼吸の働きを妨げて重い中毒を起こすためです。濃い溶液が広い範囲に付着すると命に関わることがあり、国内外で死亡事故が報告されています。取り扱いには保護具が必須で、付着したらすぐに大量の水で洗い流します。

設備の製造メーカー

関連する装置カテゴリ

同じトピックの用語

パターニング・マスク・レジスト のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

ニューフレアテクノロジー日本HOYA日本AGC(旭硝子)日本レーザーテック日本大日本印刷(DNP)日本TOPPANホールディングス(Toppan)日本

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. トクヤマ「ポジ型フォトレジスト用現像液「SDシリーズ」」(2026/10/10 確認)
  2. The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan「Tetramethylammonium hydroxide(Journal of Synthetic Organic Chemistry, Japan 45巻9号)」(2026/10/10 確認)