HMDS(ヘキサメチルジシラザン)とは

Hexamethyldisilazane

最終更新:2026-10-03・露光装置・材料|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

HMDS(ヘキサメチルジシラザン)とは?

HMDS(ヘキサメチルジシラザン)とは、フォトレジストとウェハの密着性を高めるために使う有機ケイ素化合物の前処理剤です。ウェハ表面の水酸基をトリメチルシリル基に置き換えて疎水性にすることで、レジストの剥がれや現像液の染み込みを防ぎます。通常はウェハを加熱しながら蒸気にさらすベーパープライムで処理します。

定義・解説

HMDS(Hexamethyldisilazane:ヘキサメチルジシラザン)とは、化学式[(CH₃)₃Si]₂NHで表される有機ケイ素化合物で、半導体製造ではフォトレジストとウェハの密着性を高める前処理剤(密着性向上剤、プライマー)として使われます。レジストを塗る前にウェハ表面をHMDSで処理することで、現像やエッチングの途中でレジストのパターンが剥がれたり、パターンの下に薬液が染み込んだりするのを防ぎます。

HMDSが密着性を高める仕組みは、表面を水になじみにくい(疎水性の)状態に変えることです。シリコンや酸化膜の表面には水酸基(-OH)が多く、空気中の水分を吸着して親水性になっています。この状態では有機物のレジストがなじみにくく、界面に入り込んだ水や現像液がレジストを浮かせてしまいます。HMDSは表面の水酸基と反応してトリメチルシリル基(-Si(CH₃)₃)に置き換え、表面を疎水性に変えます。処理の効果は水の接触角で確認し、処理後は接触角が大きくなります。

処理は、コーター/デベロッパの中のユニットでウェハを加熱しながらHMDSの蒸気にさらす気相処理(ベーパープライム)が一般的で、液を塗る方法より量を制御しやすく、パーティクルも少なくなります。処理しすぎると表面がはじきすぎてレジストが均一に塗れなくなるため、温度と時間を管理します。また、HMDSの反応ではアンモニアが副生成物として出るため、化学増幅型レジストでは酸を中和してパターンの形状不良やスカムを招くことがあり、処理後の排気や待ち時間にも注意が必要です。先端の工程では、反射防止膜などの下層膜がこの役割を兼ねる場合もあります。

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この用語を扱う職種

装置・材料メーカーフォトレジスト開発エンジニア

よくある質問(FAQ)

HMDS処理はなぜ必要なのですか?▾
シリコンや酸化膜の表面は水酸基があり水分を吸着して親水性のため、有機物のレジストが密着しにくく、現像やエッチングの途中でパターンが剥がれたり、下に薬液が染み込んだりするためです。HMDSで表面を疎水性に変えると、レジストがしっかり密着します。
HMDS処理の効果はどう確かめますか?▾
処理後のウェハ表面に水滴を落とし、その接触角を測ります。疎水性になるほど水滴が丸くなり接触角が大きくなるため、処理の効き具合を数値で管理できます。大きすぎるとレジストがはじかれて均一に塗れなくなるため、適切な範囲に収めます。

設備の製造メーカー

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